「主語・述語」はどれ? 難しい文が読めるようになる読解力トレーニング

西岡壱誠
2024.10.17 16:21 2024.10.10 11:50

頬杖をつく男の子

読解力とは、言葉や文章から「何を伝えたいのか」を正しく理解する力。
長くて難しい文章をすらすら読むには、読解力が必須です。

偏差値35、国語赤点から東大合格を果たした西岡さんによると、「読解力はトレーニングで鍛えることができる」のだそう。
文章の基本である「主語」と「述語」を正しく理解するための練習問題を、西岡さん考案のドリルよりご紹介します。

※本稿は、西岡 壱誠著『小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル』(実務教育出版)から一部抜粋・編集したものです。

「主語」と「述語」を見つけよう!

「主語」と「述語」を見抜いて読解力をアップ!

文は基本的に、「だれが(は)」「何が(は)」にあたる言葉(主語)と、その主語が「どうした(どうする)」にあたる言葉(述語)から成り立っています。「私は走った」なら「私は」の部分が主語で、「走った」の部分が述語です。そして、これらをくわしく説明する言葉である「修飾語」がくっついて、文が構成されています。たとえば、「私は、力強く走った」なら、述語の「走った」を「力強く」が修飾しています。

この、「主語」と「述語」を正しく読み取る力を身に付けることができると、長くて難しい文章も正しく読みとることができるようになります。さっそく例題をやってみましょう。

【例題】
次の文の「主語」と「述語」にあたるものはどれ?
時間がなくて急いでいる私は、時間に間に合うように力強く走った。

正解は、主語が「私は」、述語が「走った」です。

「時間がなくて急いでいる」という部分が「私は」を、「時間に間に合うように力強く」という部分が「走った」をそれぞれ説明(修飾)しています。

【時間がなくて急いでいる(説明)】→【私は(主語)】、【時間に間に合うように力強く(説明)】→【走った(述語)】。

【私は】【走った】→この文の中心

文を樹木に例えるならば、「私は走った。」が、この文の中心となる幹の部分で、「時間がなくて急いでいる」「時間に間に合うように力強く」は情報を補う枝葉の部分にあたります。このように、主語と述語を正しく見抜くことができれば、文の意味の根本部分を理解でき、正しく、そして速く文章を読み、理解できるようになっていきます。

どこまでが主語?

主語は、「だれが(は)」「何が(は)」にあたる部分です。たとえば、「となりの席の山田さんが鉛筆を落とした。」という文であれば、この文の「主語」は「山田さんが」です。

もしかしたら、「『となりの席の山田さんが』が主語じゃないの?」と思った人がいるかも知れませんが、「となりの席の」は、山田さんがどういう人なのかを説明する飾り言葉(修飾語)なので、主語ではないことに注意しましょう!

練習問題

次の文の「主語」と、その「主語」に対応する「述語」を書き抜きましょう。「主語」や「述語」が複数ある場合は、それぞれ正しい組み合わせになるように答えましょう。

Q01 彼は駅で売られていたプリンを買ってくれた。

Q02 私は好きだった。ショートカットが似合う女の子が。

Q03 あの子に傘を貸した。あの雨の日に、僕は。

Q04 「空」という漢字の部首は、実は、穴かんむりです。

Q05 大事な人がいるだろう。

解答と解説

【解答】
Q01 主語:彼は 述語:買ってくれた 
Q02 主語:私は 述語:好きだった
Q03 主語:僕は 述語:貸した 
Q04 主語:部首は 述語:穴かんむりです
Q05 主語:人が 述語:いるだろう 

【解説】
Q01
主語は「誰が」、述語は「何をした」にあたる言葉を探しましょう。ちなみに、この述語は、動詞の「買う」に「~くれる」という補助動詞がくっついたものです。補助動詞にはほかにも「~もらう」「~くる」「~いる」など、たくさんあります。

Q02
「私はショートカットが似合う女の子が好きだった。」の語順を入れ替えた文です。一見すると「女の子が」が主語のようにも思えますが、「好きだった」のは誰か? を考えると、本当の主語を見つけられます。

Q03
「あの雨の日に、僕はあの子に傘を貸した。」の語順を入れ替えた文です。主語が後ろに置かれているので、少し難しいですね。

Q04
述語になるのは動詞だけではありません。「明るい」「きれいだ」のような状態を説明する言葉(形容詞・形容動詞)のほか、「穴かんむりです」のような「名前(名詞)+です」も述語になりますよ。

Q05
「だろう」は助動詞なので、これだけでは述語になりません。直前の動詞「いる」とくっついた形の「いるだろう」が述語です。

西岡壱誠

西岡壱誠

偏差値35から東京大学を目指すも、現役・1浪と、2年連続で不合格。 崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大(文科二類)合格を果たす。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国20校以上の中学校と高校で学生たちに思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜チャンネル」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。 著書はシリーズ累計40万部突破の『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)ほか多数。TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』脚本監修。

X:@nishiokaissey

小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル
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