「主語・述語」はどれ? 難しい文が読めるようになる読解力トレーニング
読解力とは、言葉や文章から「何を伝えたいのか」を正しく理解する力。
長くて難しい文章をすらすら読むには、読解力が必須です。
偏差値35、国語赤点から東大合格を果たした西岡さんによると、「読解力はトレーニングで鍛えることができる」のだそう。
文章の基本である「主語」と「述語」を正しく理解するための練習問題を、西岡さん考案のドリルよりご紹介します。
※本稿は、西岡 壱誠著『小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル』(実務教育出版)から一部抜粋・編集したものです。
「主語」と「述語」を見つけよう!
「主語」と「述語」を見抜いて読解力をアップ!
文は基本的に、「だれが(は)」「何が(は)」にあたる言葉(主語)と、その主語が「どうした(どうする)」にあたる言葉(述語)から成り立っています。「私は走った」なら「私は」の部分が主語で、「走った」の部分が述語です。そして、これらをくわしく説明する言葉である「修飾語」がくっついて、文が構成されています。たとえば、「私は、力強く走った」なら、述語の「走った」を「力強く」が修飾しています。
この、「主語」と「述語」を正しく読み取る力を身に付けることができると、長くて難しい文章も正しく読みとることができるようになります。さっそく例題をやってみましょう。
【例題】
次の文の「主語」と「述語」にあたるものはどれ?
時間がなくて急いでいる私は、時間に間に合うように力強く走った。
正解は、主語が「私は」、述語が「走った」です。
「時間がなくて急いでいる」という部分が「私は」を、「時間に間に合うように力強く」という部分が「走った」をそれぞれ説明(修飾)しています。
【時間がなくて急いでいる(説明)】→【私は(主語)】、【時間に間に合うように力強く(説明)】→【走った(述語)】。
【私は】【走った】→この文の中心
文を樹木に例えるならば、「私は走った。」が、この文の中心となる幹の部分で、「時間がなくて急いでいる」「時間に間に合うように力強く」は情報を補う枝葉の部分にあたります。このように、主語と述語を正しく見抜くことができれば、文の意味の根本部分を理解でき、正しく、そして速く文章を読み、理解できるようになっていきます。
どこまでが主語?
主語は、「だれが(は)」「何が(は)」にあたる部分です。たとえば、「となりの席の山田さんが鉛筆を落とした。」という文であれば、この文の「主語」は「山田さんが」です。
もしかしたら、「『となりの席の山田さんが』が主語じゃないの?」と思った人がいるかも知れませんが、「となりの席の」は、山田さんがどういう人なのかを説明する飾り言葉(修飾語)なので、主語ではないことに注意しましょう!
練習問題
次の文の「主語」と、その「主語」に対応する「述語」を書き抜きましょう。「主語」や「述語」が複数ある場合は、それぞれ正しい組み合わせになるように答えましょう。
Q01 彼は駅で売られていたプリンを買ってくれた。
Q02 私は好きだった。ショートカットが似合う女の子が。
Q03 あの子に傘を貸した。あの雨の日に、僕は。
Q04 「空」という漢字の部首は、実は、穴かんむりです。
Q05 大事な人がいるだろう。
解答と解説
【解答】
Q01 主語:彼は 述語:買ってくれた
Q02 主語:私は 述語:好きだった
Q03 主語:僕は 述語:貸した
Q04 主語:部首は 述語:穴かんむりです
Q05 主語:人が 述語:いるだろう
【解説】
Q01
主語は「誰が」、述語は「何をした」にあたる言葉を探しましょう。ちなみに、この述語は、動詞の「買う」に「~くれる」という補助動詞がくっついたものです。補助動詞にはほかにも「~もらう」「~くる」「~いる」など、たくさんあります。
Q02
「私はショートカットが似合う女の子が好きだった。」の語順を入れ替えた文です。一見すると「女の子が」が主語のようにも思えますが、「好きだった」のは誰か? を考えると、本当の主語を見つけられます。
Q03
「あの雨の日に、僕はあの子に傘を貸した。」の語順を入れ替えた文です。主語が後ろに置かれているので、少し難しいですね。
Q04
述語になるのは動詞だけではありません。「明るい」「きれいだ」のような状態を説明する言葉(形容詞・形容動詞)のほか、「穴かんむりです」のような「名前(名詞)+です」も述語になりますよ。
Q05
「だろう」は助動詞なので、これだけでは述語になりません。直前の動詞「いる」とくっついた形の「いるだろう」が述語です。
現代の小学生は、大人も驚くほど大量の文章を速く正確に読みこなす「読解力」が求められています。
読解力はコツをつかめば子どもから大人まで短期間で飛躍的に伸ばすことができます。
本書は、『東大読書』シリーズで知られる西岡壱誠氏の読解力のノウハウを 小学生から大人まで誰でも取り組みやすいドリル形式でまとめた書籍です。
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