子どもの語彙はどうすれば増える? 言葉を引き出すために親ができること

伊庭葉子,小寺絢子

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子どもに対して、「そんな言葉も知らなかったの?」と驚くことが多い……そんな親御さんにぜひ伝えたい、子どもの語彙を増やすための3ステップとは?
「さくらんぼ教室」の伊庭葉子先生、小寺絢子先生のアドバイスを、著書より抜粋してご紹介します。


※本記事は伊庭葉子,小寺絢子著『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。

語彙を増やす

親の視点 :「そんな言葉も知らなかったの?」ということが、生活の中でよくあります。「あせらないで」 と言ったら、「『あせらない』って何?」と聞かれました。興味のあることは驚くほどよく知っているのに……。

子の視点: 「そんな言葉も知らなかったの?」って言われても、今までだれも教えてくれなかったよ。そんな言葉を知らなくたって困らないから、覚えなくてもいいんじゃない?

学びの手立て

たくさんの言葉を知ることは、子どもの表現する力、コミュニケーションの力につながっています。 ふだんの生活の中で「あたりまえのこと」「知っていて当然と思えること」でも、あえて言葉にする (言語化)習慣をつけ、言葉の力につなげていきましょう。

STEP1 言葉の理解を広げる・深める

身近な言葉が入っている絵カードを使って、次のような進め方で練習します。

1.「〇〇はどれかな?」
2.「〇〇をするものはどれかな?」
3.「〇〇は何をするものかな?」

たとえば絵カードを使って、次のような進め方でやりとりを楽しみましょう。
・「時計はどれかな?」(子:言葉を聞いて選ぶ)
・「時間を教えてくれるものはどれかな?」(子:意味を理解して選ぶ)
・「時計は何をするものかな?」(子:自分の言葉で説明する)

STEP2 抽象的な言葉を理解する

「お母さんは『いそがしい』。『いそがしい』って、な~んだ?」などのように、クイズにしてやりとりしてみましょう。一日一語でもよいのです。目には見えない様子や気持ちを表す言葉の意味を確認したり、その言葉を使って話してみたりしましょう。ノートを一冊用意して、その日覚えた言葉と意味、例文を書いていくようにすると、自分だけのオリジナル「言葉辞典」ができますね。覚えた言葉を形に残すという意味でも効果的です。

STEP3プラスワンの会話で言葉を引き出す

「今日の給食は何だった?」→「カレーだった」 →「そうなんだ」(終わり)というよくある会話から、さらに「プラスワン」つけ足して話しかけてみましょう。「カレーには何が入っていたの?」 「明日の給食は何かな」「〇〇ちゃんの好きな給食のメニュートップ3は?」など、ちょっとした会話を「つなげる」「広げる」ことで、子どもから言葉を引き出していきましょう。また、子どもがうまく表現できないときは、「〜ということかな」のように補ってあげましょう。

POINT

子どもの「言葉の力」を伸ばしたいと思ったら、大人もたくさん話しかけましょう。けっして一方的に話したり質問攻めにしたりせず、すぐに答えられそうなことや子どもが興味をもっている話題で話し、ゆっくり聞いてあげましょう。楽しくて話しやすい話題を選んだり親子ともに気持ちに余裕がある時間を選んだりすることがおすすめです!「話して(教えて)くれてありがとう」というひとことを返すことも忘れずに。

さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語 (学研のヒューマンケアブックス)

『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(伊庭葉子著, 小寺絢子 著/Gakken)

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