子どもの夢を親はどこまでサポートするべき? 過干渉にならず上手に手助けするには

シム・ファルギョン
2024.12.27 15:39 2025.01.14 11:50

子どもはこんなときに没頭し、幸せを感じる

本を読む女の子

幸せそうな子どもの姿を見て、親は喜びとやりがいを感じるものだ。では、子どもはいつ幸せを感じるのだろうか。それは好きなことをするときだ。本のストーリーにのめり込むとき、時間を忘れてパズルに熱中しているとき、ブロックでロボットを組み立てているとき、運動しながら汗を流すとき、空想を絵に描くとき、楽しい音楽でダンスをするとき、子どもは幸せを感じる。

最近、早期教育が流行っているという。いや、年々過剰になっている気がする。しかし、子どものための真の早期教育は、母親と一緒に行うだけで十分だ。母親ほど子どもをよく理解し、心から幸せにしてあげられる存在が、他にいるだろうか。母親には専門的な知識がないから、幼いうちに教育専門家に預けるべきだって? 教育専門家の専門的なプログラムは、果たして子どもを幸せにできるだろうか。

お金を受け取って仕事をする人は、その仕事で成果を出さないといけないため、子どもの幸せよりも外から見える結果に重点を置きがちだ。しかし、親はわが子の幸せを一番大事に思っている。どんなにすばらしい早期教育のプログラムでも、平凡な日常生活のなかで母親と一緒に好きなことを学ぶ時間には勝てない。最初の発見者である親は、子どもの幸せを通して子どもの才能を発見するのだ。

子どもは幸せを食べて育つ

笑顔の子どもと親

もし子どもの可能性を発見できないとしたら、それは親の実力不足のせいだ。子どもを育てる親の動機が潔白でなければ、子どもの輝きは発見できない。子どもへの欲を捨てれば、本当の子どもの姿が見えてくる。

子どもは親の人生の報酬ではあるが、叶えられなかった親の夢を代わりに叶えてくれる存在ではない。他の問題では常識的なよい人が、いざ子育てのことになると理性と常識をことごとく無視することもある。親がこのような心構えでは、子どものなかの巨人を見つけることはできないだろう。

また、教育の目標が子どもの幸せに置かれていない場合も、同じことが起きる。子どもは自分が好きなことをして、そこから幸せを感じてこそ、熱中できるようになる。好きなことを一生懸命やっていれば、自然と成果もついてきて、最終的に巨人へと成長するのだ。このような心構えの親に出会えた子どもたちは、自分で自分の幸せなストーリーを作っていく。自分の人生の主人公になるのだ。

私は3人の子を育てながら、それぞれの独自の性格と個性を把握するよう努めた。そして各人がそれに従って一種のテーマを持ち、自分だけのストーリーを書き上げるよう願った。

長女ヘミンには、平和を愛し、世代・文化・地域・民族間の葛藤(かっとう)を解決し、平和な世界を作る巨人になってもらいたかった。次女ヘウンには、創造性を持って、社会のなかで新しいものを作る役割を果たしてもらいたかった。末っ子ヘソンには、生命を愛し、生きとし生けるすべての存在を大切にする人間になってもらいたかった。

私は今も、子どもたちが各自のテーマのなかで、持ち前の才能によって人によい影響を与え、自分の道を進んで行くことを願っている。小川のなかの龍のように、土に埋もれた原石のように、今はまだ小さな種にすぎなくても、すくすくと育って自分たちの夢を大きく広げる巨人になるよう期待している。

シム・ファルギョン

シム・ファルギョン

韓国でキリスト教教育で修士学位を取得した後、同じ大学で神学を学んでいた夫と結婚。夫の留学を機にアメリカに移住。アジア人移民は社会的にはマイノリティーであり、さらに牧師の家庭だったため経済的にも苦しかったが、入試コンサルティングはもちろん、塾にも行かせず、一般の公立学校に通った3人の娘全員をハーバード大学に入学させた。