「やりたいことがない子」が好きを見つけるには? 自分を理解するために必要なこと
子どもには、好きなことに精一杯取り組んで欲しいもの。しかし中には「やりたいことがわからない」という子がいるのも確かです。子どもがやりたいことを見つけるために、まず考えるべきこととは?
安藤俊介先生の解説を著書より抜粋してご紹介します。
※本稿は、安藤俊介著『12歳から始めるイライラしない技術 』(秀和システム)から一部抜粋・編集したものです。
「やりたいこと」が見つからない!
一度きりの人生、多くの人が、どうせならやりたいこと、好きなことを思いきりやりたいと思っているのに、やりたいことが見つからないと、なやむ人はとても多いです。
むしろ、やりたいことがさっと見つかる人のほうが少ないかもしれません。
もしあなたが今、とてもやりたいことがあるのであれば、それは大きな幸運にめぐまれていると言ってもいいでしょう。
なぜ、やりたいことが見つからないのでしょうか。それは、自分の心からうれしい、楽しい気持ちが、いつ生まれるのか理解していないからです。
自分が心からうれしい、楽しいと思えることがわかっているのであれば、それをすればいいのです。でも、それが何なのか今一つよくわからないので、何をしてよいのかわからないと思っています。
ではどうすれば、心からうれしい、楽しい、それをすることで充実感を得られるものを見つけることができるのでしょうか。
そのために必要なことは、自分を理解することです。
私たちは、他人の気持ちを理解しなさいとは教わりますが、自分のことを理解しなさいとは意外と教わりません。
他人の気持ちを理解しなさいと言われるのは、相手の気持ちを理解することで、思いやりを持ちなさいという意味です。
相手の気持ちを理解することで思いやりが持てるのですから、自分の気持ちを理解することは、自分に対する思いやりを持てることにつながります。
学校でも家庭でも、自己理解のために何をすればいいのか、具体的に教わることはあまりありません。
でも、自己理解ができなければ、自分が何をしたいのか、どこへ行きたいのか、人生を歩む上でとても大切なことがわからないのです。
あなたには、自己理解を進めるためにしてほしいことがあります。それは、「日記をつける」ことです。
日記は、その日あった出来事などを書くのが一般的ですが、出来事よりも、その日何を考えていたのか、どういう気持ちだったのかを書いてほしいのです。
今日は学校に行って、勉強し、友だちとおしゃべりして、家に帰ってきただけで、とくに日記に書くようなことはないと思えるような日だったとしても、1日の中でいろいろなことを考えたり、気持ちになったりしています。
出来事、考え、気持ちはセットです。
ある出来事があったとして、あなたはそのことについて考えます。
そして、その考えたことでうれしい、悲しい、怒り、さびしい、不安といった気持ちになります。
出来事は昨日起きたこと、ずっと前にあったこと、今目の前で起きていること、未来に起こりそうな出来事、別の場所であったこと、今いる場所で起きたことといったように、時間や場所は関係ありません。
考えたこと、気持ちを記録し続けることで、あなたが本当のところ何をしたいのか、どこへ行きたいと思っているのか、何をしたら満足感を得られるのかが見えてきます。
数日記録したからといって、簡単に見つかるようなものではありませんが、記録しなければ見つけることはできません。2、3か月は、記録を取り続けてみてください。
きっと、自分のことをもっと理解できるようになり、自分が望むことが見つかるでしょう。
『12歳から始めるイライラしない技術 』(安藤俊介著/秀和システム)
「ムダに怒らない」「6秒で落ち着ける」「ストレスに強くなる」
ありそうでなかった、小学生が活字で読むアンガーマネジメント入門
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