「1学級1担任」の時代はもう古い? 浸透しつつある「チーム担任制」のメリット・デメリット

藤平公平(株式会社リーズ)

学校教育の現場では当たり前の「1学級1担任」制度。4月の始業式から3月の修了式まで、「同じ先生と1年間過ごした」という人がほとんどだと思います。しかし近年では、「チーム担任制」を導入する学校が増えてきていることをご存知でしょうか。一体どのような制度なのか、小学校教員の“にこ先生”に現場の声を伺いつつ、情報をまとめました。

教育現場の「働き方改革」につながる一手

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「チーム担任制」とは、文字どおり1クラスに対して複数人の教師がチームを組み、児童生徒の指導・サポートに当たる制度のこと。現行の1学級1担任では教師ひとりの負担が大きく、教師・児童生徒間の関係性が閉鎖的になることも問題視されていました。一方でチーム担任制は業務分担の見直しが期待でき、文部科学省発表の「全国の学校における働き方改革事例集」にも紹介されているほど。

実際に鹿児島県の志布志市立伊﨑田小学校では、2024年度からチーム担任制が導入されています。同校では職員室のキャッチフレーズとして、「ひとりでしない ひとりにしない。」を標榜。安心・安全な学校にするため「イサキダキャンパスモデル」を策定し、「一部教科担任制」や「小中乗り入れ授業」といった全7事項のひとつとして、チーム担任制を取り入れた経緯があります。

にこ先生「伊﨑田小学校の『ひとりでしない ひとりにしない』というキャッチフレーズは、現場の教員にとってとても安心感のある言葉です。やはり、これまでは1クラスの責任が1人の教員にのしかかっており、メンタル的な負担がかなり大きかったと思います。『チーム担任制』が浸透していけば、教員の負担が軽減され、子どもたちにとってもメリットが大きいと思います。また、この取り組みにより労働環境が改善されれば、教員のなり手不足が解消するための糸口になるかもしれません。」

2020年度から導入している学校も