現場の保育士不足を心配する声も…2026年本格スタートの「こども誰でも通園制度」とは

井山和美(株式会社リーズ)
2025.01.20 17:33 2025.01.22 12:00

積み木をする男の子

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2026年から本格的にスタートする「こども誰でも通園制度」。既に一部自治体の施設でモデル運用もおこなわれていて、徐々に認知度も高まってきている状況です。とはいえ従来の預かり保育との違いがよくわからなかったり、制度の中身について疑問点を投げかける声もちらほら。保育士のアイ先生に現場の声を伺いつつ、制度の本格始動に向けて知っておきたい情報をまとめました。

一時預かり保育とは異なり“誰でも”がポイントに

砂遊びする3歳の園児

こども誰でも通園制度は、2023年6月に「異次元の少子化対策」のひとつとして政府が掲げた支援策です。まず注目すべきは、保護者の就労・未就労に関わらず、0歳6カ月から満3歳未満までの子どもを保育施設に預けられる点。現在は保護者が働いていないと、子どもを保育園に預けることができません。また、一時預かり保育も保護者のケガや病気といった理由により、家庭での保育が難しい場合に限られています。しかし新たな制度では、理由・目的を問わず誰でも利用することが可能です。

保育士のアイ先生「こども誰でも通園制度は、保護者の状況に関係なく施設での保育を受けられる素晴らしい制度だと思います。特に『誰でも』という点がポイントで、共働き以外の家庭でも、また特別な事情がなくても制度を利用できるのは今までの保育制度にはなかった大きな魅力。子どもにとっても、家族以外の人と触れ合う経験や集団での生活を通じて、成長できるチャンスが広がります。

また、保育施設が『特別な理由が必要な場所』ではなく、もっと身近な存在になることで、地域全体で子どもたちを育てていく雰囲気が生まれるのではないでしょうか。この制度がもっと多くの人にとって利用しやすいものになれば、子育てしやすい社会に近づくのではと期待しています」

全自治体が「こども誰でも通園制度」を実施!

保育士のアイ先生

四年制保育大学卒業後、都内の保育士として勤務開始。2021年からSNSでの活動を開始し、「保育士あるある」のショート動画はミリオン超えの再生数を連発。SNS総フォロワーは5万人を超えている。保育士転職サービスで2万人以上の保育士のキャリア相談、保育園の採用支援をおこなうなど、様々な角度から保育業界に携わっている。保育業界紙『MiRAKUU』で「アイ先生の保育園の魅力発信 SNSの教科書」連載中。