アメリカの親子に折り紙が人気? シリコンバレーの幼稚園が教える「子どもを伸ばす遊び」
世界の先端企業が集まるアメリカのシリコンバレーで日英バイリンガル幼稚園Sora International Preschool創設した中内玲子さん。「考える力」を幼児期より育てる方法について、ご家庭でも比較的簡単にできる「遊び」をお聞きしました。
※本記事は中内玲子著『シリコンバレー式 世界一の子育て』(フローラル出版刊)より一部抜粋・編集したものです
「折り紙」や「おもちゃづくり」で創造的体験をさせ、考える力を育てる
日本の子どもたちも折り紙が好きですが、アメリカでも折り紙はとても人気です。私は幼稚園を経営する前に習い事教室を開いていましたが、折り紙のプライベートレッスンはシリコンバレーの親御さんにもとても好評で、折り紙を教えるサマーキャンプや折り紙を使ったバースデーパーティなどのイベントも人気でした。
日本のすばらしい伝統文化である折り紙は、正方形の紙から動物や植物、飛行機やおもちゃなど、ありとあらゆるものをつくり出す、非常にクリエイティブな遊びです。
1枚の紙が形のあるものに変化する様子、自分の頭で考え手を動かしてつくり上げる経験は、思考力や想像力、クリエイティビティを大いに育みます。
指を上手に使えるようになる3〜4歳くらいから、最初は大人が手伝いながらシンプルな折り紙を楽しんでみましょう。「犬の顔」や「家」など数回折って完成する簡単な折り紙もありますし、本や動画でさまざまな折り方が紹介されていますので、一度興味を持ったら何歳になっても楽しむことができます。また、何も見せずに子どもに自由に折り紙を使って遊ばせるのも創造性を育むことができておすすめです。
折り紙は創造力だけでなく、「半分に折る」「4分の1に折る」「三角形は角が3つ」など、数字や図形に親しめるというメリットもあります。また、折り紙は正方形のままでは立たせることはできませんが、縦半分に折れば立たせることができますし、じゃばら折りにすれば強度が増して、お皿のように上にお菓子やコインを乗せることもできます。
このように折り紙には、アートだけでなく数学、工学の要素もあるため、子ども向けのSTEAM教育のワークショップでも折り紙が使われることがあります。
段ボールや空き箱でおもちゃづくり
自分ではさみやのりを使える年齢になったら、おもちゃづくりに挑戦してみましょう。おもちゃづくりは、発想力や感性、ものに対する観察眼や、創意工夫する力などを育むことができます。
素材はどの家庭にもある、段ボールやトイレットペーパーの芯、牛乳パックや空き箱などで十分です。大人にとっては「リサイクルゴミ」ですが、子どもにとっては好きなようにおもちゃをつくれる夢のような素材です。
子どもが思いついたときに遊べるように、わが家では、リサイクルグッズを紙袋に入れて用意しておき、大人が使うような本格的な道具箱にはさみやテープなどを揃えて子どもの手の届くところに置いています。
また、自作のおもちゃはつくるのにお金はかかりませんが、お金を出して買ったおもちゃより大事にして、ずっととっておく子が多いのです。おもちゃが豊富にある現代だからこそ、世界に一つだけ、自分だけのおもちゃをつくる喜びは格別なのでしょう。
おもちゃづくりは、STEAM教育にも通じるところがあります。
たとえば、空き箱と輪ゴムでギターをつくるとします。空気が振動することで音が出ることを知る(科学)、実際のギターをお手本に、何本の輪ゴムをどう配置すれば音が出るかを考えて工作をする(数学、工学)、そのギターで演奏する(アート)、演奏した音を録音してパソコン上で作曲をする(技術)など、工夫次第で遊びを通してさまざまなことを学ぶことも可能です。
シリコンバレー式 世界一の子育て(中内玲子著、フローラル出版刊)
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