まさかのアナ雪! 人気講師が子どもの英語学習に「レリゴー方式」を勧める理由

小河園子
2025.01.31 11:11 2025.02.03 11:50

ありのままに歌う女の子
「英語が嫌い!」と言われる前に、家庭でできるちょっとした工夫を始めてみませんか? 英語教師歴40年の小河園子さんが教えるのは、親子で楽しみながら英語にふれられるアイデア。『気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』より、「レリゴー方式」の勉強法をご紹介します。

※本稿は、小河園子 (著)『気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

「レリゴー方式」で好きな歌を「完コピ」する

最初にご紹介するのは、小さい子が大好きな「歌」を使ったもの。

歌のフレーズから英語のリズム感やテンポを感じとるのはとても重要です。なんと言ってもおすすめなのは、「好きな歌を完コピ」すること!この“完コピ“がポイントで、歌を聴いたら、それを同じ速さで完全に再現できることをいいます。これだけは、適当ではダメ。短くても、ワンフレーズでもいいので、まずは完コピです。

『アナ雪』の“Let It Go” が街中に流れていたとき、みんな耳から聴こえたまま「レリゴー♪」と歌っていましたよね。まさにそれが正解!これを丁寧に「レット イット ゴー♪」なんて歌っていたら、リズムに乗り遅れてしまいます。リズムに乗って、なんとなく英語が言えるこの感覚、名付けて「レリゴー方式」です(笑)。

完コピするときは、日本語の意味はわからなくてOK。ただしお子さん自身が意味を知りたいようなら一緒に調べてみましょう。

これが2、3歳のお子さんなら意味がわからないまま、スポンジのように英語を吸収していくところですが、小学生の場合は違います。英語で聴いて「言えちゃった!」「聴こえた通り言ってみた!」という経験を重ねていくうちに、「どういう意味だろう?」と思ったら、調べればいいのです。

お勉強ではなく、楽しむほうがうまくいく!

鍵盤を弾く子ども

とくに日本語のベースができている小学生になると、意味がわからなくてもとにかくリピートして耳から完コピして満足する子もいれば、文字になっていないと落ち着かない子、日本語訳がないとわかりにくい子もいます。その子に合わせながら、あくまでも楽しんで。

お気に入りの曲やフレーズが見つかったら、リピートしましょう。狙いは、「カッコいいね!」「気分がいいね!」「できちゃったね!」の感覚です。レリゴー方式で、外国人になりきってしまいましょう。

意外と大切なのが選曲。「英語を学ばせるため」より「歌いたい歌」のほうが上達が早いです。お母さん、お父さんが好きな歌、子どもと接点が持てる歌、一緒に歌える歌がいいですね。テンポが速い歌よりも、ゆったりしたもののほうが歌いやすいでしょう。

おすすめの曲名リストを挙げておきますので、参考にしてみてくださいね。

【SONOKO先生のワンポイント】
短くてもいいから、「完コピ」することが大事♪

おすすめの曲名リスト

・The Beatles(ビートルズ)
Let It Be →レティビー♪
※おなじみの曲ですが、サビのところだけでも歌えるとカッコいい!

・John Lennon(ジョン・レノン)
Imagine
※歌詞の意味もわかると、グッときます。2024 年パリオリンピックでも使われていました。

・Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)
Beat It →ビーリッ!
※マイケル→マイコーの歌は、なんといってもかっこいい! テンポが速いので、サビの部分だけでも。

・USA For Africa (ユーエスエー フォー アフリカ)
We Are The World
※音楽の教科書にも載っている曲です。

・Taylor Swift(テイラー・スイフト)
Shake It Off →シェキオ!♪
※途中に出てくる歌詞も歌えると楽しいですよ。

・Billy Joel(ビリー・ジョエル)
Honesty
※オネスティは「誠実」という意味です。サビの部分だけでも歌えるといいですね。

・Maroon5(マルーンファイブ)
Sugar
※テンポがやや速いので、ワンフレーズだけでも歌えるとGood!

・Abba(アバ)
Dancing Queen
※親世代にはおなじみの、気分が上がる曲。歌い始めからノリノリになること間違いなし!

・Chiquitita
※「チキチータ」はスペイン語で、小さい少女という意味。だんだんメロディが盛り上がっていくので、サビを歌えると楽しくなります。歌いやすいテンポです。

・John Denver(ジョン・デンバー)
Take Me Home, Country Roads
※ゆったりテンポで1曲を通して歌いやすい。日本語版ではジブリの『耳をすませば』の主題歌でもあるので、日本語の歌詞のリズムと比べても面白い。

 

 

小河園子

聖学院大学講師(非常勤)。元埼玉県立浦和高校教諭。浦和第一女子高校、南稜高校、浦和高校、お茶の水女子大学付属高校(非常勤)など国公立の高校で教鞭をとり、40年間の英語教師生活で1万人の生徒を導いてきた

X:@sono_english

Instagram:@sonokoogawa

おうち英語

気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(小河園子著/Gakken)
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