「嘘だけはつかない子」が子どもを追い詰める…子どもが噓をつくとき親がするべきこと
子どもも大人も、誰もが嘘をつきます。しかし、嘘をついたことでいちいち大騒ぎしても問題は解決しません。
子どもが嘘をついたときには、親はどうすればいいのでしょうか? 『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』よりご紹介します。
※本稿は、フィリッパ・ペリー(著), 高山真由美(訳)『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(日本経済新聞出版)から一部抜粋・編集したものです。
「あなたのお子さんは、あなたに嘘をつきます」
娘の中学校で保護者説明会に出席したときのことです。校長のマーガレット・コネルは、親全員の顔を見まわすと、単刀直入にこう言いました。「あなたのお子さんは、あなたに嘘をつきます」。
「まさか、うちの娘にかぎって。私たちはすばらしい関係を築いているんだから」と私が思っていると、校長は続けました。「お嬢さんがあなたにすべてを話しているように思えても、思春期になれば必ず嘘をつきます。親の仕事は、そんなことでいちいち大騒ぎしないことです」
このときのことについて、何年もあとにマーガレットに尋ねると、彼女はこう話しました。「誰もが嘘をつく。私たちの悪いおこないのなかで嘘は最もありふれたものなのに、どういうわけか親は嘘を最悪の罪と見なしている。やってはいけないことをやったとき、それはたいてい些細なことなのだけど、子どもはやってないと言う。そうすると親は、『娘のことならよく知っている、欠点はあるけど、嘘だけはつかない子よ』なんて言う。それが子どもを追い詰める。つまり、問題がなんであれ、それではいっこうに解決しない」
どんな子どもも嘘をつきます。大人もみんな嘘をつきます。もちろん、つかずに済めばそれはすばらしいことです。きちんと対話ができて、本当に親密な関係を築くためのより良いチャンスが生まれるからです。しかし子どもが嘘をついたからといって重罪人のように扱うべきではありません。
子どもは親が頻繁に嘘をつくところを見ている
嘘について、もっと言えば、私たちの文化ではどういうときなら嘘が容認されるかについて、私たち大人は子どもに矛盾したメッセージを伝えてしまっているのです。親は子どもに嘘をつかないように言いますが、その同じ口で、おばあちゃんがクリスマスプレゼントに編んでくれたダサいマフラー(しかも3年連続)に感謝しているふりをしなさいと言うのです。嘘をつくのが適切な状況について、子どもはずいぶん複雑な教えを受けているわけです。
子どもは親が頻繁に嘘をつくところを見ています。たとえば、あなたがパートナーに、「体調が悪いから今日は行けなくなったとみなさんに伝えて」と言っているところを小耳に挟んでいるはずです。そして本当は行きたくないだけなのだと知っています。あなたのこういうふるまいを日常的に目にしていれば、親はきっと自分にも嘘をついているだろうと子どもが思っても不思議はありません。なにせ親は、本当のことでなくとも完璧に信じ込ませるだけのパワーを持っているのですから。
子どもが噓をつくとき
嘘というのは、子どもにとっては熟練を要する技です。まず、現実に代わるものを心に思い描き、「こういうことがあったの」と言います。次に、それを本当にあったことと一緒に覚えておかなければなりません。さらに、きちんと嘘をつくためにその2つを区別し――ここが実に知恵を要するところですが――親がどう思っているか、親が何を知っているかも覚えておかなければなりません。
幼児も親の目をごまかすようなことをします。あなたの見ていないところで、自分が食べたくないものを犬に食べさせたりしているはずです。しかし先述のような熟練を要する技で子どもが本当に嘘をつきはじめるのは4歳くらいになってからです。そのときには、強大な力を身につけたような気分になってこう思うのです。「あたしがつくったお話をみんな信じてる! すごい!」
子どもが嘘をつくのはたいてい、周囲の大人が本当のことを知ったら取り乱し、お前が悪いと決めつけてくるだろうと思うからです。トラブルから抜けだすために嘘をつく子もいます。空想そのままの嘘、大人を喜ばせるための嘘、人に親切にするためのやさしい嘘もあります。
ときには、感情のうえでの真実を伝えるために嘘をつくこともあります。何かあったのかと訊かれ、どう説明したらいいかわからないときに、自分の気持ちに合ったお話を考えだすのです。
『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(フィリッパ・ペリー(著), 高山真由美(訳)/日本経済新聞出版)
「心を揺さぶられた」「涙なしで読めない」「子育て全般が変わった」……
世界中から共感の声、続々! 世界46カ国200万部のベストセラー。
自分の親との関係を見つめ直し、感情を受け止めれば見えてくる
子どもが幸せになるための心がけ