「電気・電器・電機」どう違うか説明できる? 大人も迷う同音異義語の使い分け【上級編】

大島中正(監修), 北澤篤史(著)

大人でも悩む同音異義語。「電気・電器・電機」の違い、正しく説明できますか? 親子で学びたい漢字熟語を、『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』よりピックアップしました。

※本稿は、大島中正(監修), 北澤篤史(著)『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)から一部抜粋・編集したものです。

でんき 【電気・電器・電機】 使い方のコツ

【電気】①電球やモーターなどの発電体に電気現象を起こさせるもの。②「電灯」のこと。

この記事の画像(8枚)

【電器】弱電力で動かす、主に一般家庭用の器具類。

【電機】電力で動かす機械のこと。

「電気」は「電気エネルギーの総称、電灯」、「電器」は「電気器具の略」、「電機」は「電力を使った機械」という違いがあります。

「電気」は電球の点灯やモーターを回転させる力の源です。また、「電気」は、「電灯」を指す場合もあり、「寝る前に電気を消す」などと使います。

「電器」は「電気器具」の略であり、「家庭電器」などと使います。

「電機」は「発電機」のように電力を使って運転する機械を指します。

一般的に、工事関係は「電気店」、家庭用品を取り扱う店は「電器店」、生産用機械を扱う店は「電機店」と書きます。

ていけい 【定形・定型】 使い方のコツ

【定形】一つの決まった形。

【定型】一つの決まった型。

「定形」は「一定の形」、「定型」は「一定の型」という違い。

「定形」は「定形の封筒」「定形を保つ」「不定形」など、「用途や目的に合わせて決められた形」に使います。

「定型」は「定型詩」「定型俳句」「定型業務」など、「形のもととして、一定の型が決まっているもの」に使います。

「形」は具体的で「型」は抽象的というのが基本です。

ひょうけつ 【表決・票決・評決】 使い方のコツ

【表決】会議や議会で、議案に対し賛成か反対かの意思を表明すること(挙手や起立、投票などの方法がある)。

【票決】投票によって決めること。

【評決】多数の人が集まって評議し決定すること。

「表決」は「議案に賛否の意思を表す」、「票決」は「投票によって決める」、「評決」は「評議して決める」という違いがあります。

「表決」は、会議を開いて「選挙による表決」「挙手による表決」「拍手で表決する」などと使います。

「票決」は「票決の結果」などと使い、「表決」の方法の1つです。ただし、両者の使い分けは難しく、一般的には「表決」を使用します。

「評決」は意見を出し合って決めることでは「表決」と似ていますが、「無罪の評決を下す」「裁判官の評決による」のように、「裁定や評定」の意味が含まれます。

監修者:大島中正
同志社女子大学特別任用教授/1958(昭和33 年)、大阪府生まれ。専門は日本語学。個人(新島襄など)の言語生活を語彙・表現に着目して、明らかにすることを目標の1つとしている。ことわざ学会理事。サイト「ことわざ・慣用句の百科事典」にコラム「ことわざで日本語再発見」を連載中。

著者:北澤篤史
「二字熟語の百科事典」制作者/1984(昭和59)年、大阪府生まれ。言葉好きが高じて、「二字熟語の百科事典」や「ことわざ・慣用句の百科事典」、「語彙力を鍛えるサイト」など、複数のサイトを立ち上げ、運営。月間300 万PV 以上に育てる。同サイトは小中学校の教材や単語カードになっている。
X:@kuizu_kotowaza

マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑

マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑(大島中正(監修),北澤篤史(著)/講談社)

月間300万PVで検索される「二字熟語の百科事典」の作者が、漢字熟語を厳選、解説。わかりやすくコンパクトにまとまりました。