頑張っているのに成績が伸びない・・・東大医学部生が教える勉強法見直しのコツ

「勉強を頑張っているのに成績が伸びない」「今の勉強法が本当に正しいのか不安」そんな悩みを抱えている中高生も多いのではないでしょうか。東大医学部生の上田彩瑛さんもかつて、勉強法に疑問を抱きながら試行錯誤を繰り返しました。上田さんが自力で解決した方法や、効果的な勉強法の見直し方、そして成績アップへのコツを、著書よりご紹介します。
※本稿は、上田彩瑛著『数学を武器にしてみよう! 東大理三・ミス東大が教える、誰でもできる勉強法』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
今の勉強法が正解なのか、わからないとき
自分ではけっこう勉強しているつもりなんだけど、なかなか成績が伸びない。今の勉強法が正しい勉強法なのか、自信が持てない─こうした悩みを抱えている方もいると思います。
理解度が増している、わかってきているという感覚が持てないのなら、勉強法が合っていないのかもしれません。それを相談するために、塾や学校があるのではないでしょうか。
他人に相談することは大事です。なぜなら相談する過程で、自分の悩みを言語化し、整理することができるからです。相談して相手の答えを得ることと同じくらい、重要なことかもしれません。
そのように言語化したうえで、自分では見落としている点を他人のアドバイスを受けて補うようにします。私も「理科の受験対策をいつ始めればよいのか」がわかっていなかったのですが、幸い塾の数学の鶴田先生から貴重な助言をいただくことができました。
一方で、自分の勉強法に疑問を持たず、「とりあえず精一杯勉強したから大丈夫だろう」と思い込んでいる人もいます。誰にも相談せず、情報交換もせずに勉強をしていると、どうしても自分を中心に判断しがちです。
私も個別塾のアルバイトをしたことがあるので、そのことは痛感しています。自分の教え子に対して、今の勉強のやり方だと効果は出ていないな、と思うことはけっこうありました。確認テストをしてみたら、学習内容が身についていないことが明白にわかってしまいますから。
その場合、今、行なっている勉強法を変える必要があります。そこで本書で述べているようなことを、教え子の状況に合わせて助言するのですが、家庭教師や塾講師のような第三者がいない方は、いったん立ち止まって自分で考えなければなりません。「自分の勉強法に疑問を持つ」、それだけでも一つの大きな進歩と言えるのです。
ただ実は、私自身、先生に相談するのはとても苦手でした。
塾の先生も多忙なので、時間をとってしまう質問の機会はできる限り減らさなきゃ、と考えるタイプだったんです。ほかの生徒がたくさんいる中で質問をすることにも、気後れを感じていました。
わからないことが10個あったとします。塾の先生に質問したいけど、10個も訊くのは申し訳ないので極力、質問の数は減らしたい。なんとか自力で理解しようとして、一つひとつ頑張って考え抜いたら、結果的にすべての疑問が氷解した─ということがしばしばありました。
そんな経験を経て気づいたのは、「何がわからないのか」を突き詰めて考え、明確にすることができれば、「わからないこと」は自然に減るということです。
この項の前半で述べたこととも重なりますが、自分の疑問点が明確になれば、自ずと正しい理解につながるのです。
私は、「何がわからないのか」が明確になっていない段階で先生に質問しても、先生も迷惑だろうなと思い、疑問点を明確に言語化してから質問するように努めました。すると、疑問点を言語化した時点で理解にかなり近づき、結果的に自力で解決することができたのです。
私が受験生の頃はありませんでしたが、今なら生成AIのChatGPT などに質問することもできます。
ChatGPT に質問するときのコツとして、「仕事ができない部下に質問するように」、きちんと主語を入れたり、意味が曖昧な言葉を使わないようにしたりするのがよい、とよく言われます。
つまり日本語を正確にして、コマンドを入力するということですね。それが、自分の疑問を明確にする、ということにつながります。塾の質問の例と同じで、ChatGPT に質問するのも、言語化力を磨くためにちょうどいい訓練になると思います。
ただ、今、世に出ている最新バージョンはかなり進化していて、支離滅裂な質問でもきちんと答えてくれるとも聞きました。言語化力を鍛えるために、あえて古いバージョンのChatGPT を使うことってできるのでしょうか(笑)。
『数学を武器にしてみよう! 東大理三・ミス東大が教える、誰でもできる勉強法』(上田 彩瑛著/PHP研究所)
「大学入試の受験生に課される問題の99%は、今まで学んできた数学の『例題』にあてはめたり、あるいは例題の解き方を組み合わせたりすることで、解くことができると思っています」 数学を解けるか解けないかは、センスの問題ではないし、 「ひらめき」なんて、必要ない! 現役で東大理三に合格した著者が、誰でもできる数学の勉強法を開陳!
さらに他科目の勉強法、ノートの取り方(実際に使用したノートの写真つき)、記憶術、ゆるぎないモチベーションを生む「暗示のかけ方」なども紹介します。本気で合格したい方のための一冊です!