身長の伸びに重要なのに不足しやすい「亜鉛」を「ある食材」で手軽に補給! “身長先生”の簡単「亜鉛不足解消」レシピ
身長を伸ばすために必要な栄養素、「亜鉛」。しかし、東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄先生によると、亜鉛は約90%の子どもに不足しているそうです。「亜鉛」の役割と、毎日手軽に補給できる「身長先生式レシピ」を、田邊雄先生の著書『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』から紹介します。
※本稿は、『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』(田邊雄/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
イラスト:かざまりさ
身長を伸ばすカギは亜鉛不足の解消
亜鉛は、体内での代謝にかかわる酵素の活性化やホルモンの合成に関わっています。身長の伸びに欠かせない成長ホルモンも、亜鉛が不足していると正常に分泌されません。ほかにも、免疫力を高めたり、神経伝達にも関わるなど、重要な働きを担っています。しかし、当クリニックでの血液検査では、約90%の子どもが亜鉛不足という結果が出たのです。
東北大学大学院農学研究科名誉教授の駒井三千夫先生が発表した論文でも、亜鉛の摂取量は一般的に少なく、特に日本の子どもと高齢者、若い女性で亜鉛が不足している状況にあると記載があります。
亜鉛を就学年齢に飲んだら身長が伸びるか?
タイで発表された亜鉛と身長に関する興味深い論文があるので紹介しましょう。
テーマは「亜鉛を就学年齢に飲んだら身長が伸びるか?」です。対象は平均年齢8・9歳、亜鉛欠乏が多いエリアのタイの子ども140名(身長差はなし)。
偽薬(プラセボ)を飲む子ども70名・亜鉛サプリメントを飲む子ども70 名、この2つのグループに分け、6カ月後の身長を比較した結果は次のとおりです。
・偽薬(プラセボ):平均 +4.7㎝
・亜鉛サプリメント:平均 +5.6㎝
亜鉛サプリメントを飲んだグループのほうが身長が約1㎝高くなったということです。半年で1㎝というはっきりとした差が出たことがわかります。
なぜ、亜鉛は不足しやすいのか?
亜鉛不足の症状としては、成長障害(身長の伸びが悪くなる)、味覚障害、口内炎、皮膚炎、情緒不安定などが挙げられます。こうした症状が続いたり、肌荒れを繰り返す場合は、亜鉛が足りていない可能性が高いということ。今すぐ亜鉛を含む食材を積極的に取り入れましょう。
亜鉛を多く含む食材を上記に紹介しておきます。特に多く含まれるのは、牡蠣、レバー、牛肉などですが、これらを毎日食べるのはなかなか難しいでしょう。このことも、亜鉛が不足しやすい理由のひとつと考えられます。
そこでおすすめしたいのが、ごまです。ごまを使ったふりかけを常備し、ごはんにかけたり、あえものやサラダなどにプラスすれば毎日手軽に亜鉛補給ができます。
【身長先生式レシピ】 ごまカツオふりかけ
『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』(田邊雄/Gakken)
子どもの身長は「遺伝」よりも「何を食べるか」が大事!
身長治療のスペシャリストで【身長先生】と呼ばれる医師・田邊雄先生が、豊富な臨床経験とエビデンスから導き出した、食事で体・心・脳が健やかに育つ【成長食】30のルールと、超簡単で毎日実践しやすいレシピを教えます。