「自分はかわいくないし性格も暗い」 “自分を好きになれない10代“が幸せになるには?
「自分なんてかわいくない」「明るくなれない自分が嫌い」そんなふうに思い詰めてしまう10代は少なくありません。でも、本当に見た目や性格だけが幸せの条件なのでしょうか?
自己肯定感に悩む子どもたちが、少しだけ心を軽くするヒントを、不登校ジャーナリストの石井しこうさんの著書より抜粋してお届けします。
※本稿は、石井しこう著『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること 』(大和書房)より一部抜粋、編集したものです。
私はかわいくないし性格も暗い、大人になってもいいことあるの?
わかる。あなたの気持ちはたいへんよくわかります。
幸せをつかむのはクラスの一軍男女。教室では彼らがいつもキャッキャ楽しそうに談笑している。友だちも多く、明るく、サッカーやバスケやダンスやK-POP を満喫している気がする。絵にかいたようなリア充たちが、今日も今日とてクラスを闊歩しているのを見て「ああいう人が幸せになるのだろう」と思っているのでしょう。それに比べて自分はガッツリのヲタ趣味に沼ってるし、やめる気もない。友だちもわずか、見た目も中身も残念な10代で将来に希望が持てるわけがないと。
はい、あなたは10代のころの私です。私も学生時代は、まわりと比べて「魅力がない自分」に途方に暮れていました。学力、容姿、運動能力、どれも今ひとつ。あげくに「不登校」という勲章まで抱いてしまい、その黒歴史がいつ終わるのか、見当もつきませんでした。
ところが何百人も取材をしてきてわかったことがあります。
どうやら幸せは、容姿や性格に依存しないみたいなんです。
正直に言うと、年齢を重ねるうちに、以前、悩んでいた容姿やスキルについて、どうでもよくなってきました。悩むほどのひまがない、というほうが正確でしょうか。とにかく私が抱える問題は解決していませんが、今、私は、幸せなんです。思い描いたとおりの人生ではありませんが、そこそこ幸せな日々を送っているのです。
ムリだと思っていた仕事も、怒られながらも何とか覚え、縁遠いと思っていた結婚もできました。結婚当初は「こんなに幸せなことはない」と思っていましたが、10年経った今では、洗濯機の使い方でケンカすることもあります。それでも、一緒に星空を見たり、特別な日でもないのに中華料理を食べに行ったりと、楽しく過ごしています。
自分に対して「ダメだなあ」と思っていた部分は、今も変わりません。でも、「ダメだなあ」と思うことでひどく落ちこんだり、頭がいっぱいになったりすることはあまりない。小さな幸せが自分を支えてくれることがわかったから。
大人になるって捨てたもんじゃない。だから、安心して大人になって大丈夫です。
しこうポイント:幸せは容姿や性格に依存しません
石井しこう著『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること 』(大和書房)
ヨシタケシンスケ氏 推薦!
“ここに君の先輩がいる。
君と同じだった先輩は、たくさんいる。
先輩たちは、何が大事かを知っている。
学校に行っても行かなくても、するべきことは一つだけ。
大事なものを、大事にするだけ。“
「不登校の自分は、この先どうなるんだろう?」
経験者だからわかる事がある。
将来が不安でもやもやする日々、トンネルの中にいる君に届けたいメッセージ。