子どもに「うちはお金ない」と言ってもいい? つるの剛士が子どもにクギを刺した結果

つるの剛士
2025.06.25 11:29 2025.07.07 11:50
つるのの恩返し
子どもたちが一時帰国して、久々に全員揃いました
この記事の画像(2枚)

つるの家では、あえて子どもに少しの「負荷」をかけることで、子ども自身が考え、成長する力を育てています。例えば、「うち、お金ないからね」と伝えることもその一つ。

つるの剛士さんが著書を通じて語る、「子どもの自立を見守ることの大切さ」をご紹介します。

本稿は、つるの剛士 (著)『「心はかけても手はかけず」つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し』(講談社)より一部抜粋、編集したものです。

肥料のあげすぎより少しの負荷が強くする。
野菜作りと子育ての共通点

「うち、お金ないからね」と伝えていた

子育ての上で必要かもしれないと思うのは、子どもにちょっとした「負荷」をかけることです。つるの家の場合、それは「お金」でした。僕は子どもたちが小さい頃から、「うち、お金ないからね」と言っていました。何でもかんでも親にねだらないこと、自分のおこづかいでやりくりすること、というのも伝えていました。芸能界にいると、周囲から豪奢な生活をしていると思われがちです。でも実際は収入が安定しない、将来の保証もない厳しい仕事。子どもたちにはそれをわかってほしかったし、勘違いしてほしくなかった。

するとある日、うたとおとが子ども部屋で住宅情報誌を見ていたんです。「パパとママに迷惑かけないように18歳になったら一人暮らしするから、家賃を調べてお金の計算をしている」と。それを見て、さすがに僕も少し言いすぎたかなと思いました(笑)。

僕は負荷を与えるという意図があってお金について教えていたわけではないのですが、結果的に子どもたちにとってはそうなったと思います。お金は社会で生きていくための大切なツール。お金の話をすることは、子どもが社会を知り、将来の生活力を身に付けるためにも必要なんじゃないかと僕は思っています。

子育ては野菜作りに似ている。肥料をあげすぎては育たない

つるのの恩返し

神奈川県・藤沢市の北部で畑仕事(つる農園)をするようになって気付いたのですが、子育ては野菜作りに似ています。野菜は、水や肥料をあげすぎると、貧弱になったり枯れたりしてしまう。環境も少し厳しい方が好ましい。寒かったり暑かったり、雨の少ない時期があったり。その方が、野菜が不思議と自分で生き延びようとするんですよね。自らの力で根や茎を伸ばし、糖分などの栄養素を増やして蓄える。そうして、強い野菜が育ちます。形はちょっと悪くても味は最高です。

これは子育てにも当てはまるなぁと。こちらから丁寧に提案したり働きかけたりせずに、ある程度は子ども自身に悩ませたり、考えさせたりする時間が大切だと思うんです。子どもがある程度成長してからも、この姿勢は変わりません。子どもは可能性の塊です。いや、可能性しかない。だから、親は自分の価値観やイメージで子どもを縛らない方がいいと思っています。うちの子はこれができないから、これが苦手だから、と心配してあれこれ手を焼いてあげるのは逆効果。子どもの可能性を潰してしまうかもしれません。

失敗も逆境も自分で乗り越える体験をさせよう

何度も言う通り、子どもは自ら育つ力があると僕は信じています。逆境も、自分の力できっと乗り越えられる。失敗したっていい。その失敗から学び、次のステップに活かせるはずです。その成長の道のりは、子ども自身で体験しなければ意味がない。親が与えられるものではありません。

親にできるのは、とにかく子どもを信じて見守ることです。子どもが迷い、悩んだ時にはそっと手を差し伸べてあげる。そして何より、親である自分自身が夢を持つこと。挑戦し続けながら前向きに生きる背中を子どもに見せること。それが子どもの頑張りを応援することにつながると思います。

つるの剛士

1975年生まれ。福岡県出身。神奈川県藤沢市在住。1997年「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を好演。2008にはバラエティ番組「クイズヘキサゴン」でユニット“羞恥心”を結成しブレイク。私生活では2男3女の父親で、芸能界初の男性育休を取得し、ベストファーザー賞を受賞。2022年には短期大学を卒業し、幼稚園教諭二種免許、保育士資格を取得。2025年に大学のこども心理学部を卒業し、認定心理士資格のための単位をすべて取得。非常勤の幼稚園教諭としても働いている。

X:@takeshi_tsuruno

Instagram:@takeshi__tsuruno

つるのの恩返し

つるの剛士 (著)『「心はかけても手はかけず」つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し』(講談社)

人気絶頂時に芸能界では当時異例の男性育休を取得し、「イクメン」代表として取り上げられ、ベストファーザー賞を受賞。勉強好き、海外留学など、それぞれが好きな道を突き進み「生きる力」が強い5人の子。結婚20年を超えても仲良し夫婦。

令和家庭の理想像を地で行くつるの家ってどんな子育てをしてるの!?

本人のロングインタビューと母・3人の妹・愛妻・5人の子の徹底取材で、つるの家伝統の「手はかけずに気をかける」見守り育児と家族仲の良さの秘密が明らかに!
つるの剛士ってどんな父親?夫?息子?兄?つるの家総勢10名に赤裸々に語ってもらいました。家族からの通信簿、50歳を祝うメッセージなど、意外な真実とくすりと笑えるエピソードが満載です。

後半では、5児の父親であり保育士資格を持ち非常勤幼稚園教諭としても勤務する、つるの剛士の経験と知識を基に、子育てや夫婦関係のお悩み相談に対して、自身のエピソードを絡めながら実践的アドバイス。対談した知育ママインフルエンサーも、つるの剛士のアンサーに驚きと共感の嵐!
「生きる力」、「最強の自己肯定感」を育む“つるの格言”に注目!

「心配より信頼」
「子育てに共通のマニュアル本なんてない」
「負荷をかけて放っておくほうが豊かに実る!野菜作りと子育ては同じ」
etc.