【密着レポート】サンシャイン水族館の大掃除!寝床で待機するペンギンのレアな姿を目撃
2011年のリニューアルオープン以来、コロナ禍や自然災害による臨時休館を除き、年中無休で営業を続けてきたサンシャイン水族館(東京・池袋)。そんな水族館が、2025年6月19日(木)に初の終日休館日を迎え、夏休み前の大掃除として年に数回実施される「落水清掃」が行われました。今回は、その大規模な清掃の裏側に密着取材しました!
落水清掃とは?
「落水清掃」とは、水槽から一時的に生き物を別の場所へ移し、水をすべて抜いて行う大掃除のこと。普段の清掃では落としきれない頑固な汚れを徹底的に除去するため、滅多に見られない貴重な光景が広がります。今回は、サンシャイン水族館の顔ともいえる「天空のペンギン」水槽の清掃に密着しました!
猛暑の中行われた「天空のペンギン」水槽の掃除
サンシャイン水族館の屋外エリア、マリンガーデンにある「天空のペンギン」水槽は、都会のビル群の上空をペンギンが飛び交うように泳ぐ姿が人気の展示です。通常の清掃では、ダイバーが水槽内に潜水し、スポンジでアクリル面や床、壁の汚れを落としていますが、夏休みを前に、水を抜いて、水槽の隅々まで丁寧な清掃が行われました。
まずは水槽の天井部分、水深の浅い部分から清掃がスタート! 水槽内にはまだ水が溜まっている状態です。塩素でしっかりと汚れを落としていきます。
水位がひざ下まで下がると、水深の深い部分の清掃が始まりました。一見きれいに見えていた水槽でしたが、よく見ると土や葉っぱやフンなどのごみが沈殿しています! 沈殿物をタモで丁寧にすくい上げていきます。
水が完全に抜かれてから、塩素で漂白・殺菌が行われます。塩素がまかれた部分は汚れが白く変色していきます。
水槽内の壁は市販の清掃道具では長さが足りないため、飼育スタッフ自作の柄の長い清掃道具が登場!アクリル面はスポンジを使って、こすり洗いをしていきます。
水槽の外側も清掃します。ここまでで約4時間が経過していました。この日の気温は33度と猛暑の中、過酷な作業が続きます。
ペンギンたちの待機場所
清掃の間、ペンギンたちは水槽の脇にある寝床で待機していました。普段、ペンギンは閉館後にこの巣箱で寝ているそうです!
水槽の天井部分の近くの陸場にペンギンが寝床にしている巣箱を確認することができました!
清掃が進む中、近くではリクガメが散歩している可愛らしい光景も見られました。
ケープペンギンたちの食事を観察
「天空のペンギン」水槽の隣に配置されている「草原のペンギン」水槽は、野生のケープペンギンが棲む南アフリカ・ケープタウンの岩場や、草原をイメージした展示になっていて、本来のケープペンギンたちの暮らしを垣間見ることができます。時期によっては、ペンギン夫婦が子育てする姿を見ることもできるんだとか!
清掃作業中、ペンギンがエサを食べる様子を観察できました。ペンギンは必ず魚を頭から丸飲みします。これは、魚のヒレなどが喉に引っかかるのを防ぐため。たとえ魚を尻尾側から与えても、器用に頭から飲み込むのだそうです!
一日がかりの清掃の末、ついに水槽がピカピカに!
塩素を洗い流し、中和剤を散布後、再度すすぎます。そして、試験薬で中和が確認されてから新しい海水を注水していきます。注水後、循環ポンプと水温調節機を稼働させたら作業は完了! 翌朝の営業時間前にケープペンギンたちを水槽に戻します。
沈殿物がなくなり、アクリル面もピカピカになりました! この夏、綺麗な水槽の中で泳ぐペンギンの姿を、ぜひ見に行ってみてください!
池袋・サンシャイン水族館 https://sunshinecity.jp/aquarium/