「えっ、そう訳す!?」バイリンガル娘の”まさかの直訳英語”で気づいたこと【ゆる英語子育て①】

大井ミサコ

アメリカ人の夫と、4人の子どもたちと暮らす、ライターの大井ミサコさん。
日本で生活しながら、日々「英語での子育て」を実践しています。

4人を同じように育てているつもりでも、子どもたちの英語への反応はさまざま。得意な子もいれば、苦手な子もいて、まさに四者四様なのだそう。

大井さん一家のどたばたな試行錯誤の日々から、「英語子育て」のヒントを探る連載をお届けします。

「ごはんですよ」は英語でなんという?

午後6時。子育て家庭にとって最も忙しい時間帯だろう。我が家も例外ではなく、吹きこぼれそうなパスタ鍋の前を離れることができない私は、当時3歳の長女に頼んだ。「ちょっとダディーに、『ごはんですよ』って言ってきてくれる?」

長女は、在宅勤務をしている父親の部屋へテケテケと駆けていくと、ありったけの声で叫んだ。

「Daddy, it’s rice!!!」

アメリカ人の父親と日本人の母親をもち、英語と日本語の2言語を聞いて育った娘は、いわゆるバイリンガルだ。両言語とも上手に使いこなす。それでも……というより、だからこそ、バイリンガルっ子ならではの間違いを時々おかす。日本語の「ごはんですよ」を文脈通りの英語にするなら「Dinner is ready」や「It’s dinner time」だけど、それを「It’s rice」と直訳したのである。その日の夕食はスパゲッティだったのに。