「これ着ない!」 子どもの自己主張を受けとめる着替えの工夫

池田千恵
2025.08.04 11:20 2025.08.11 11:50

泣く子ども

「これ着ない!」「これじゃなきゃイヤ!」――服に対する強いこだわりに、朝からヘトヘト。そんな2歳児の“お着替えバトル”に悩む親御さんも多いのでは?
子どもの気持ちに寄り添いながら、スムーズなお着替え時間を目指すコツを保育士歴22年、TikTokの生配信では「プロのおせっかい・教えてちえ先生」として人気の池田千恵先生が教えます。

※本稿は池田千恵著『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

「これ着ない!」

服を畳む子

Q:気候や用事に合わせて「今日はこれを着ようね」と服を出しますが、「これ着ない!」と拒否し、好きな服を持ってきます。時間がかかって困ります。(2歳2か月)

A:選択肢を与えて子どもが選べるように。ありったけの服を全部出して「どれにする?」

大人が出した服を「着ない!」と言う子は、とくにイヤイヤ期の女の子に多いですね。「これがいい?」「じゃあ、これは?」と一つずつ見せても、どれも「いや!」と言う子も。

そんなとき私なら、ありったけの服を出して、並べちゃいます。そして「どれにする?」。お洋服屋さんごっこにして、「いらっしゃいませ~。こちらなんか、どうですか?」などと声かけを工夫します。

自分で決められるからか、「全部いや」と言う子はあまりいません。逆に「全部着る!」と、服をどんどん重ねて着る子も。そんなときは本人が満足したころに、「そんなに着ると暑いかも。どれか脱ぐ?」と、脱ぐ服を選ぶように伝えるとスムーズです。

同じ服ばかり着たがります

Q:お気に入りの服があり、その服ばかり着たがります。ほかの服も着てほしいのですが…。(2歳4か月)

A:お気に入りのキャラクターへのこだわり、着心地など、理由は子どもにより様々。好きなポイントを探して、ポイントが一致する服を用意。

同じ服を着続けることは、悪いことではありません。でも、洗濯は必要ですし、毎日同じというわけにもいきませんよね。

感覚が過敏な子どもの中には、タグの部分がチクチクする、腕のゴムがきつすぎるなどの理由で、新しい服をいやがる子どももいます。

そこでまずは、その服のどの部分が気に入っているのかを探ってみましょう。服についているイラストやキャラクターが好きなのか、色が好きなのか、それとも、素材がやわらかで着心地がいいのか。

そして、好きなポイントが一致する服を一緒に買いに行ってみましょう。試着したら、「すごく似合っているよ!」と、ほめます。着る服の幅が少しずつ広がるといいですね。

池田千恵

保育士歴22年。現在は、事業所内保育所の施設長を務める。YouTubeの『くりおねちゃんねる』や、TikTokで毎日の生配信を通して、子育ての悩みやワンオペ育児の孤独に寄り添う「プロのおせっかい・教えてちえ先生」として活動中。

子どものイヤイヤ期を楽しむ本

池田千恵(著)こんぶ(絵)『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』(Gakken)

0~4歳のお子さんをお持ちのママ・パパに親も子どもも「楽」になる「子育てのワザ」を大公開! 育児の「困った」、子どもの「イヤイヤ」を乗り切る秘訣は、子どもを丸ごと受け止め、否定しないことです。完璧じゃなくて大丈夫。あせらなくてOK! 肩の力をちょっと抜いてみませんか? 食事・衛生・睡眠・着替え・遊び・友だち関係・気になる姿・親のメンタルバランスまで、子どもへのかかわりと言葉がけのアイディアが詰まったQ&A集。悩みがすーっとなくなり、育児がもっと楽しくなる一冊です。