「だめ!」の前に考えたいこと…子どもの“困った行動”に隠された本当の気持ち
「叱ったのにやめてくれない」「わざと親をたたいてくる」「怒ってもニヤニヤ…」そんな子どもの“困った行動”に、どう対応すればいいのでしょうか?
実はその行動、子どもなりの理由があるのかもしれません。保育士歴22年、TikTokの生配信では「プロのおせっかい・教えてちえ先生」として人気の池田千恵先生が解説します。
※本稿は池田千恵著『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
わざと叱られることをします
Q:悪いことをして「やめなさい」と叱ると、わざとくり返したり、親をたたいてきたりします。なぜ? 意味がわかりません。(2歳1か月)
A:自分に関心をもってほしい気持ちのあらわれかも。子どもが十分に甘えられる機会をつくって。悪い言動には過剰に反応せず、よい行動をしたときに注目する。
わざと叱られるようなことをするのは、自分に関心をもってもらいたいという気持ちのあらわれかもしれません。あるいは大人の反応がおもしろくて、わざとやっている可能性もあります。
いずれにしても、子どもの悪い言動には過剰反応せず、ほかの場面で子どもが十分に甘えたり、ほめられたりする機会をつくりましょう。悪い行動をしたときには注目されない、よい行動をしたときには注目されるというくり返しで、子どもによい行動が定着していきます。
中には、叱られるのが怖くて、その気持ちをごまかすために攻撃的にふるまう子もいます。叱り方が強すぎないか、子ども自身を否定するようなことを言っていないか、大人の言動を見直すことも大切です。
怒られてもにやにやしています
Q:いたずらをしたときや行儀が悪いときなど、少し怖い顔で「だめ!」と伝えますが、怒られたという認識がないようで、にやにやしています。(2歳8か月)
A:にやにやしているのは、不安や緊張のあらわれのことも。「だめ」と怒らず、「◯◯はバツ。◯◯します」と具体的に伝えて。
怒るとき、大人は「だめ」という言葉で伝えることが多いけれど、「だめ」という言葉の破壊力は大きいです。なぜ怒られたのか、どうしてよいかがわからず、不安や緊張からにやにやすることがあります。
「だめ」と怒るのではなく、その行動について、「立って食べるのはバツ。座って食べます」と、何がだめで、どうすればよいのかを伝えましょう。
ママがいやがることをする(=反応してくれる)のが目的になっていることもあるので、その場合はスルーを。
この時期の子どものいたずらの多くは、わからないことを一つひとつ確認している知的好奇心や探求心のあらわれだったりします。大人の価値観で悪いと判断せず、子どもの行動の意味を探ってほしいと思います。
池田千恵(著)こんぶ(絵)『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』(Gakken)
0~4歳のお子さんをお持ちのママ・パパに親も子どもも「楽」になる「子育てのワザ」を大公開! 育児の「困った」、子どもの「イヤイヤ」を乗り切る秘訣は、子どもを丸ごと受け止め、否定しないことです。完璧じゃなくて大丈夫。あせらなくてOK! 肩の力をちょっと抜いてみませんか? 食事・衛生・睡眠・着替え・遊び・友だち関係・気になる姿・親のメンタルバランスまで、子どもへのかかわりと言葉がけのアイディアが詰まったQ&A集。悩みがすーっとなくなり、育児がもっと楽しくなる一冊です。