親の常識は時代遅れ? 今の子どもたちの価値観と望む未来とは
親世代と子ども世代の価値観は大きく異なり、その違いが子育てに影響を与えることもあります。親の姿勢や関わり方が適切でなければ、子どもがストレスを感じてしまうことも。
今の子どもたちの価値観や考え方とは? 小宮山利恵子著『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』から紹介します。
※本稿は、『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』(小宮山利恵子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から一部抜粋・編集したものです。
子どもとの価値観の違い
親が先回りして子どものやることを決めてばかりいると、自分で生きる力は失われていきます。子どもは、親とは異なる価値観や考えを持った別の個性を持つ人間として尊重してください。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員意識調査2023」によると今の20代は「個」を重視する傾向が強くなっています。たとえば、働きたい職場の特徴は「お互いに助けあう」(66.4%)がトップで、「お互いに個性を尊重する」(50.7%)が10年前と比較し21.8ポイントUPしました。仕事をするうえで重視したいことも1位「成長」(28.8%)、2位「貢献」(26.7%)で、「競争」は最下位です。
受験は「受験戦争」と言われるように、激しい競争を勝ち抜かなければいけない世界ですから、若者たちが望んでいる方向と逆行していると言えます。
使っているツールもお金の使い方も違う
親世代と比べると、今の子どもたちは使っているツールも違います。私が息子に1000円のQUOカードをあげようとしたら、「使わないからいらない」と言われたことがありました。息子はいつもスマホでキャッシュレス決済していて、現金やカードを持ち歩く習慣がないからです。
実際、クレジットカードや銀行振込の利用率は40〜50代以上、銀行引落しは50〜60代が高く、20代は電子マネー(プリペイド・後払い)などのキャッシュレス決済の利用が多いことがわかっています。(※トライベック・ブランド戦略研究所)
お金の使い方も世代によって特徴があります。Z世代(18〜26歳)とX世代(43〜59歳)に、お金をどんなことに使いたいのか聞いた調査によると、どちらの世代も旅行・観光が1位で、2位と3位は外食かファッションですが、他が異なります。X世代の4位は投資ですが、Z世代は6位に推し活が入っています。(※情報メディア「イーデス」)
世代間の価値観や考え方の違いは、働き方の違いにもつながっている
このように世代間の価値観や考え方の違いは、働き方の違いにもつながっています。親世代は、就職した会社で働き続けて、退職金をもらって辞めるケースが大半でしたが、今は20〜30代で転職する人が少なくありません。
また、『リクルート進学総研』が実施した「高校生価値意識調査2022」の調査によると、「収入や雇用が安定している仕事がしたい」が約8割いる一方で、「社会課題解決に主体的に関わりたい」と回答した生徒も47.3%いました。
海外と比較するとこの割合は低いですが、「仕事はお金を稼ぐためにするもの」という考えの親世代とは違って、若者たちの社会問題に対する意識は高いのです。
『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』(小宮山利恵子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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