テスト前ギリギリ介入は逆効果? 中学生が自ら動き出す“2週間前”ルール
テスト1週間前に「もっと勉強しなさい!」と声をかけても、子どもはなかなか勉強モードにならないもの。むしろ反発を招き、親子の会話がギスギスすることもあります。
中学生が自分自身で気づけるようになる声かけのタイミングとは? 建部洋平著『第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』から紹介します。
※本稿は、『第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』(建部洋平/飛鳥新社)から一部抜粋・編集したものです。
中学生の子どもがいきなり勉強モードに入るのは難しい
一般的にテストの1週間前は、部活動も休みになり、テスト勉強期間となります。
大人の感覚からすると、「さぁ〜、今日から必死で勉強だ!」となりますが、子どもはそうなるとは限りません。
「普段は部活や習い事で忙しかったからちょっとボーッとしたい」「今までできなかったアレ(勉強以外のこと)をしたい」など、すぐに勉強モードに入れない子が多かったりします。
「普段と違う状況」のなかで、いきなり全開モードでテスト対策をがんばるのは、中学生の子どもには難しいのです。
しかし、親御さんは、1週間前になれば「テスト週間なんだから、もっと勉強しなさい!」と発破をかける。
これは子どもからすれば、自分の気に入らない音楽が、徐々にボリュームが上がり、最後に耳元で最大級の音量で流れてくるようなもの。耳をふさぎたくなるのです。
タイミングを少し前にずらすだけで、劇的に変わる
とはいえ、誰か大人が、「テストが近づいてきたら、こういうふうに勉強を進めていくといいよ」と早めに教える必要があります。
でも、多くの中学生の親御さんは、テスト1週間前に突然ぐいぐい子どもに介入します。すると、子どもがちゃんと勉強をできていないことばかりが目につき、ヒートアップしてしまうのです。
実は1週間前では、子どものテストに関心を持つのは遅すぎるのです。こんなギリギリのタイミングで、何かを大きく変えるなんて難しいのです。
では、これを2週間前にずらしてみたらどうでしょう?
テストの2週間前は、普段勉強しない子であれば、テストの存在すら頭にないかもしれません。そのタイミングで、「今月末に期末テストがあったね。今回のテストは何が出るんだろうね〜」とちょっと話題にしてみるのです。
すると、子どもは「あ、そうだ、そうだ。テストがあったな。えーっと、今度は何が出るんだっけ。あー、あれとあれが出そうだ」と思い出すきっかけになります。そして、「あれ、意外とやらなきゃいけないことが多いなぁ〜。今からちょっと復習しておこうかな」と、自分自身で気づけるようになります。
なぜこのタイミングなら落ち着いた会話ができるのかというと、本番までまだ時間があるからです。時間に余裕があると「子どもの未来」という温かいものに向けての言葉となり、ギスギスした会話にはなりにくいのです。
「2週間」をキーワードにすると未来が拓く
「2週間前でも遅いのでは?」と思った方もいるかもしれませんね。確かに、今の中学校の学習内容を考えると、2週間でも十分とは言えないかもしれません。
でも、それよりも前からとなると、さすがに先に思えてハードルが上がってしまうので、まずは「2週間前」を意識してやってみてください。
また、私の塾では定期テストの2週間前に塾のプレテストを実施しています。通っている塾のプレテストなどがある場合は、そのプレテストの1週間前に会話をするのも手だと思います。塾のテストは学校のように内申点には響かないので、ギリギリのあせった感じにはなりにくいのです。
2週間前に、親が伝えたいことを伝えたら、あとはできていること、やれていることのみに注目して、そこをしっかりほめ続けてください。
たとえば、「もう数学のテスト範囲のテキスト終わったの? すごいじゃん!」「まだテスト週間に入ってないのに、勉強時間を増やしていて、こりゃ大幅リードだね」など、少しでも以前と変わっていることをしっかりとほめます。
「2週間前から」が、親の声かけの勝負です。
少し前倒しに声かけをする。
この方法はテスト対策に限らず、スポーツの試合や習い事の発表会など何か大きな本番を控えているときや、提出物など期限が決められているときにもおすすめです。
『第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』(建部洋平/飛鳥新社)
「勉強しなさい」と言わずに、子どものやる気を引き出す方法がある!
×「もっとがんばってみなさい」
○「今回は下がっちゃったけど、この教科はできているね!」
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