高校受験、集団塾より個別指導塾? かかるお金と「子どもに合う塾」を見抜くポイント
高校受験に備えての塾通い。一般的に塾といえば、集団塾を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、個別指導塾はどうでしょう? 個別指導塾は、集団塾に比べて費用も上がるものの、より子どもにあった指導が受けられそうなイメージを持つ親御さんも多いのではないでしょうか? 両者のメリットやデメリットを西岡壱誠(著)布施川天馬(著)『幼稚園から大学まで 勉強にかかるお金図鑑』から紹介します。
※本稿は、西岡壱誠(著)布施川天馬(著)『幼稚園から大学まで 勉強にかかるお金図鑑』(笠間書院)から一部抜粋・編集したものです。
高校受験集団塾
複数人の生徒からなるクラスに対し、講師が教壇に立って講義を行う形式の学習塾です。一般に塾といえばこちらを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
【相場】
>>1年間で約30万円
【具体的なデータ】
>>臨海セミナー 5教科で年間約30万円
中学1年(月額) 21,890円(週3回)
中学2年(月額) 24,750円(週3回)
中学3年(4~7月、月額) 26,400円(週3回)
中学3年(9~12月、月額) 29,700円(週3回)
入試直前最終特訓講座(中学3年1~3月一括) 49,940円(週3回)
地域によって変動します(上記は神奈川県の例)。別途入学金、教材費。
>>ena 5教科で年間約35万円
中学1年(月額) 17,160円(週3回)
中学2年(月額) 33,000円(週4回)
中学3年(月額) 37,840円(週4回)
別途模試教材費。
【メリット】
>>カリキュラムが決まっているので計画的に勉強が進められる
集団塾では、高校受験や模試などの目標から逆算して作られたカリキュラムが用意されているため、計画的に学習を進めやすいのが特徴です。
受験や模試の直前になって「演習不足だった」と焦ることが少なく、安心して学びを進められます。スケジュールに沿って進むため、ペース管理が苦手な子どもにも適しています。
>>個別指導塾より料金が抑えられる
集団授業では、1人の講師が複数の生徒を一度に指導するため、1人あたりの授業料が個別指導塾に比べて大幅に抑えられるのが大きなメリットです。
加えて、講師の数が限られる分、採用や育成に力を入れている塾が多く、授業の質も安定しているケースが多いです。
特に難関校受験対策に力を入れている集団塾では教科の専門性が高い講師が担当することもあり、授業内容に深みがあることも魅力です。質の高い教育を、比較的手頃な費用で受けられる点は、集団塾ならではの強みといえるでしょう。
【デメリット】
>>一人ひとりの理解度に合わせた授業ではない
集団塾では、全体の進行に合わせたカリキュラムで授業が進むため、生徒一人ひとりの理解度に応じた柔軟な対応が難しい場合があります。
特に、質問が苦手な中学生にとっては、授業についていけなくなったときに助けを求めづらく、遅れを取り戻しにくいということが懸念されます。
>>先生の目が届きにくい
集団授業では、1人の講師が20人以上の生徒を相手にすることもあり、授業中すべての生徒の様子に細かく目を配るのは難しいのが実情です。
特に、授業についていけない生徒や苦手単元を抱えている生徒に対して、講師が個別に時間をかけてフォローする余裕はあまりありません。
また、静かに授業を受けている子ほど「わかっている」と思われやすく、実は理解できていないまま授業が進んでしまうということも起こり得ます。周囲を気にして発言しづらい子どもにはやや不利な環境といえるかもしれません。
個別指導塾
生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドの指導が特徴です。講師1人に対して生徒1人、あるいは2~3人の少人数制で行われることが多く、生徒の理解度や性格、学習スピードに合わせて柔軟に対応できるのが強みです。
【相場】
>>1年間で約40万円
【具体的なデータ】
>>個別教室のトライ 年間約36万円
入会金 11,000円
授業料(月額) 約30,000円(教室や講師のランクによって変動)
栄光の個別ビザビ(中学生、1対1の場合) 年間約50万円
入会金 22,000円
維持費(月額) 3,520円
中学1、2年(月額) 37,400円
中学3年(月額) 39,600円
【メリット】
>>一人ひとりに合わせた指導を受けられる
個別指導塾では、子どもの得意分野や苦手分野に応じたオーダーメイドのカリキュラムを作成してもらえます。そのため、全体授業では対応しきれない部分にもきめ細かなサポートが受けられ、自分のペースで無理なく学習を進めることができます。
苦手克服や得意分野の伸長に最適な環境です。また、個別指導では講師と生徒の距離が近く、生徒の性格や学習状況をふまえた声かけが、勉強に対するモチベーションを維持する助けになります。
>>監視の目がありサボりにくい
講師とマンツーマン、もしくは少人数での指導となるため、常に講師の目が子どもに向けられており、周りに流されて勉強をサボる心配がありません。
講師の目が常に届く環境は、集中力が散漫になりやすい中学生にとって非常に効果的です。ほどよい緊張感が集中力を維持する助けとなり、計画的に学習を進める強制力も生まれます。
【デメリット】
>>他の生徒との交流が少ない
個別指導塾では、基本的にマンツーマンや少人数での授業が中心となるため、同年代の生徒と交流する機会が少なくなります。そのため、ライバルと切磋琢磨する環境や情報交換の場が乏しく、学習のペースが主観的になりやすいという点がデメリットです。
競争意識や仲間意識を持ちにくく、モチベーションの維持が難しい場合もあります。また、ライバルと比べての「自分の位置」を知る機会を得にくく、もっと高みを目指そうという意欲が生まれにくいという懸念もあります。
>>学費が高め
個別指導では講師を子ども1人で独占する形となるため、授業料が高めに設定されることが多いです。塾によっては、レベルの高い講師を指名しようとすると追加で料金がかかるところもあります。
その場合、1対1ではなく1対2のサービスを利用するなどすれば、料金を下げることができます。
西岡壱誠(著)布施川天馬(著)『幼稚園から大学まで 勉強にかかるお金図鑑』(笠間書院)
塾・家庭教師・受験料・入学金……子どもの勉強や受験にはお金がかかります。本書は、累計50万部「東大シリーズ」著者で東大カルペ・ディエム代表・西岡壱誠と、貧しい家庭に生まれながら東大合格を果たした著者・布施川天馬が、「子どもの勉強・受験にかかるお金」の問題に特化し、経験と膨大なデータをもとにまとめた一冊です。