思春期の子が親に反抗する本当の理由 親のストレスを軽減する「大人扱い」とは?

親野智可等

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思春期・反抗期の子どもの態度に戸惑う親は多いものです。かつて甘えん坊だった我が子が急に不機嫌になり、「うるさい」しか言わなくなると、親のストレスも大きくなりがちです。

教育評論家の親野智可等さんは「子ども扱いして感情的に叱るより、一人の人間としてリスペクトし大人扱いした方が反抗期は順調に通過します」と提案しています。具体的にはどのような接し方が効果的なのでしょうか。

思春期の子どもへの声かけが荒くなりがち

思春期・反抗期の子どもとの関係で悩んでいる親御さんは多いと思います。

つい数年前までは毎日明るくて元気いっぱいだったのに、今は常に不機嫌でぶすっとしている…。「お母さん、お母さん」「お父さん、お父さん」「見ててー」「見て見て」などと言っていたのに、今は「うるさい」しか言わない…。

私もこのような声をたくさん聞いています。こういう毎日が続くと親御さんのストレスも非常に大きくなり、その結果子どもへの声かけの口調も荒くなってしまいがちだと思います。

子ども扱いすると反抗期が長引く

でも、思春期・反抗期の子を子ども扱いして、その言動にイチイチ切れて感情的に言い争ったり細かいしつけ的なことでガミガミ叱ったりしていると反抗期が無駄に長引きます。

それより一人の人間としてリスペクトし、大人扱いした方が順調に通過します。なぜなら、子どももそのリスペクトに応えようという意識が働き、精神的に成長するからです。

ですから、大人は細かいしつけ的なことをつつくのはやめて、大きくどーんと構えて見守ることも大事です。

譲れないことはちゃんと正対する

とはいえ、もちろんこれは譲れないということはちゃんと正対する必要があります。例えば、

・人として許されないこと
・いじめも含めて他者の人権を侵害すること
・反社会的なこと・人に大迷惑をかけること
・危険なことなどです。

その際も一方的に言いたいことを言うのではなく、まずは子どもの話を共感的に聞くことから始めることが大事です。

その上で伝えるべきことは伝え話し合うべきことは話し合い、ダメと言うべきことはダメと言いその理由も本人が納得できるように丁寧に伝えます。励ましやアドバイスが必要ならそれも伝えます。

大人同士としてのリスペクトと愛情を込めて

相手を子ども扱いした上から目線の一方的な言い方ではなく、ちゃんと大人扱いして、一人の人間同士としてのリスペクトと愛情を込めて伝えましょう。その方が子どもに伝わります。

繰り返しますが、とにかく最初に子どもの話を共感的に聞くことが大事です。そうすれば、子どもは「自分の話を聞いてくれる。自分のことをわかってくれる」と感じて親に対する信頼感が高まります。

このようなよい雰囲気になってから、こちらが伝えるべきことは丁寧に伝え話し合うべきことは民主的に話し合うようにします。この順番がとても大事です。

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