子どもの風邪に市販薬は必要? 医師が解説する「正しい使い方」と「よくある勘違い」
秋の風を感じるとかぜ薬のコマーシャルを頻繁に目にするようになります。子どもが体調を崩すと、親としては市販のかぜ薬を飲ませるべきか迷いますよね。今回は医師/医学博士で『身体を壊す健康法』の著者・柳澤綾子先生に子どもに与える市販のかぜ薬について伺いました。
(聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり、文・伊東綾子)※写真はすべてイメージです
かぜ薬はかぜを治すものではない
かぜの正式名称は「風邪症候群」といいます。のどが痛い、熱がある、せきが出る、鼻水が出るといった症状の複合体を”かぜ”とよんでいます。
上気道(鼻腔(びくう)、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)からなる気道)から入ってきた何百種類もあるウイルスたちがのどの痛み、せきが出るといった症状を出してくれば”かぜ”と定義されます。
風邪を根本から治す薬ということであれば、ウイルスを倒す役割を果たす抗ウイルス薬が必要となります。ところが、この抗ウイルス薬、症状が激しいインフルエンザなどに使うものはあるものの、そのほかはありません。
私たちが一般的に使うかぜ薬は、かぜの症状を和らげるための薬にすぎず、