10月でもまだ蚊に刺される? 医師も警戒する「秋にも元気な蚊」への対策

吉澤恵理
2025.10.17 22:00 2025.10.18 19:00

砂場で遊ぶ子どもたち

「蚊は夏のもの。秋になれば自然といなくなる」──そう考えている人は少なくありません。ところが最近、「10月なのにベランダで刺された」「公園でブンブン飛んでいた」という声が聞かれます。

実は、季節の移り変わりと都市環境の変化が、蚊の活動期間をじわじわと押し広げている可能性があるのです。猛暑が続いた夏の後、なぜ秋になっても蚊が元気なのか。今回は虫刺されの診療経験が豊富な、麹町皮ふ科形成外科クリニックの苅部淳先生に、秋の蚊の実態と対策について伺いました。(文・吉澤恵理)

都市の夜の暖かさが蚊の活動を長引かせる

――例年なら秋は、気温低下や日照時間の短縮により蚊が減ってくるはずなのに、なぜ蚊の活動が続いているのでしょうか?

苅部淳

苅部淳

順天堂大学医学部卒業後、東京大学附属病院形成外科に入局。福島県立医科大学病院など各地の関連病院で研鑽を積み、2019年に「麹町皮ふ科・形成外科クリニック」、2021年に白金台で2院目を開院。皮膚科、形成外科・美容医療の分野で幅広く診療を行っている。