「志望校合格しか見えない親」と「それでも親のために頑張る子」のその後 中学受験で親子関係が壊れる前にできること

一般社団法人Raise・宮本さおり(聞き手・構成),伊東綾子(文)
2025.10.27 14:24 2025.10.26 19:00

勉強をする親子

無意識にしている言動が、相手の人生に大きな影響を与えることがあります。これが親子ならばなおさらです。”子どものため”の行動が、実は親の無意識の圧になっているとしたら?

受験期の親子が陥りやすい”無意識の攻防”と、関係をこじらせる前にできることを、マインドトレーナーで『私は私を幸せにできる 脳が作り出す「無意識の思い込み」にさよなら』の著者田中よしこ先生に伺いました。 (聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり、文・伊東綾子)※写真はすべてイメージです

「いい学校へ」は誰のため?―親子をこじらせる”無意識”の連動

私たちの脳はとても優秀です。何かを考える時、とっさに攻撃か防御で自分を守ろうとします。例えば「いい学校へ行ってほしい」と願うことがあります。

子どもの将来を思っているように見えるのですが、親が進路で悔しい思いをした経験がある場合、無意識のうちに自分の思いが入り込むことがあるのです。自分が抱えた劣等感を埋めたいための防御の気持ちが混ざると、親の期待が重さとなって子どもにのしかかります。

親子は見えない攻防を続けて関係がこじれます。現実を直視できず打開策も見つからないまま、合格のためのノウハウを試しては空回り、そんな例が多く見られます。

「一緒に頑張る」のがプレッシャーに

男の子に注意する親

中学受験のご家庭で実際にあった出来事です。私と面談をしたあるお子さんは「お母さんがロボットみたいに感じた」と口にしました。

田中よしこ

田中よしこ

株式会社コレット代表・マインドトレーナー、情報経営イノベーション専門職大学 客員教授虐待・貧困サバイバー。生きづらさを抱えながらも本当の自分と向き合った30年間の経験をベースに、心理学×脳科学、原始仏典、コーチングの知見を取り入れ、「本当の自分を引き出す」無意識の言語化を構築。これまでに国内、国外の7500人以上の幸せのお手伝いをしている。