「志望校合格しか見えない親」と「それでも親のために頑張る子」のその後 中学受験で親子関係が壊れる前にできること
無意識にしている言動が、相手の人生に大きな影響を与えることがあります。これが親子ならばなおさらです。”子どものため”の行動が、実は親の無意識の圧になっているとしたら?
受験期の親子が陥りやすい”無意識の攻防”と、関係をこじらせる前にできることを、マインドトレーナーで『私は私を幸せにできる 脳が作り出す「無意識の思い込み」にさよなら』の著者田中よしこ先生に伺いました。 (聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり、文・伊東綾子)※写真はすべてイメージです
「いい学校へ」は誰のため?―親子をこじらせる”無意識”の連動
私たちの脳はとても優秀です。何かを考える時、とっさに攻撃か防御で自分を守ろうとします。例えば「いい学校へ行ってほしい」と願うことがあります。
子どもの将来を思っているように見えるのですが、親が進路で悔しい思いをした経験がある場合、無意識のうちに自分の思いが入り込むことがあるのです。自分が抱えた劣等感を埋めたいための防御の気持ちが混ざると、親の期待が重さとなって子どもにのしかかります。
親子は見えない攻防を続けて関係がこじれます。現実を直視できず打開策も見つからないまま、合格のためのノウハウを試しては空回り、そんな例が多く見られます。
「一緒に頑張る」のがプレッシャーに
中学受験のご家庭で実際にあった出来事です。私と面談をしたあるお子さんは「お母さんがロボットみたいに感じた」と口にしました。