リンゴも月も「落ちている」? 子どもに簡単に説明したい万有引力の法則

天文物理学者BossB
2025.11.27 15:53 2025.12.03 11:50

りんごも月も落ちている! 万有引力の法則の画像1

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ニュートンがりんごの落下でひらめいたというエピソードでおなじみの「万有引力の法則」。この法則を使って「なぜ惑星は動くのか?」「楕円軌道をとるのか?」を簡単にわかりやすく説明するには? 

子どももすんなり理解できる「万有引力の法則」を『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』よりご紹介します。

※本記事は天文物理学者BossB著『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

なぜ惑星は動くのか?

高い山の上から大砲を放つと、砲弾は曲線を描いて地面に着地します。ならばもっとパワフルな大砲を使えば、より速いスピードで砲弾は放たれ、より遠くに着地できるはず。ではさらに、もっともっと大砲をパワフルにしていったら……?

砲弾の描く曲線が地球の曲がりと一緒になると、砲弾は地上に着地できなくなり、落ち続け、地球を回ります。実は月も同じです。地上で物が落ちる時にその物に働いている力と同じ力が月に働いているのです。

だから月も落ち続け、地球を回っている。この力を重力または万有引力といいます。地球と物、または月に働く重力は、2体の質量に比例し、2体間の距離の2乗に反比例します。

万有引力の法則は、「なぜ惑星は動くのか? 楕円軌道をとるのか?」を説明することができます。天と地は同じ物理法則で成り立っていることを示し、天と地を統一したのがニュートンです。地球も土星も隕石も、太陽に落ち続けているのです。

万有引力の法則

りんごも月も落ちている! 万有引力の法則の画像2

地球も他の惑星も太陽系のすべてが落ちている

「りんごも月も落ちている! 」を子どもに説明できる万有引力の法則の画像1

豆知識

「りんごも月も落ちている! 」を子どもに説明できる万有引力の法則の画像2

天文物理学者BossB

天文物理学Ph.D.(博士)、信州大学准教授。アメリカのコロンビア大学博士課程修了後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ドイツのマックス・プランク天文学研究所などで研究活動、10年間の子育てを経て、2014年よりアカデミア(学術界)にカムバック。宇宙と物理と哲学の重複領域で研究中。著書に『宇宙思考』(かんき出版)がある。

天文物理学者BossB著『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)

小学生から楽しめて、なぞだらけの宇宙と物理のしくみがわかる!

『すごすぎる図鑑シリーズ』今回のテーマは、宇宙・天文。小学生から楽しめて、なぞだらけの宇宙への興味が広がる一冊。

ブラックホールやビッグバンといった壮大な宇宙の話から、光の速さ、時間がゆっくり進む理由、電子の不思議な動きまで、「宇宙」と「物理」をつなぐ“しくみ”を順を追った展開とシリーズの特徴である図をふんだんに盛り込んだ構成で解き明かします。 

「量子の世界って魔法みたい?」
「どうして宇宙は膨らみ続けているの?」など、大人もふと「?」と考えてしまうようなネタが満載。子どもから大人まで楽しみながら「知らなかった!」宇宙の不思議が「もっと知りたい!」という気持ちに変わる感覚を楽しめる図鑑です。