太陽は何色?と子どもに聞かれたら… 本当の色とその見え方の秘密

天文物理学者BossB
2025.12.04 12:14 2025.12.05 11:50

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太陽を描くとき、オレンジや赤色で表現することよくありますよね。しかし、これは太陽の本当の色ではない……? このからくり、きちんと説明することができますか? 

子どもの好奇心をくすぐる宇宙の話を、『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』よりご紹介します。

※本記事は天文物理学者BossB著『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

太陽は何色?

「フレーフレー赤組、ぼくらは赤く燃える太陽のように……」 え!?正午前後、太陽が最とも高い所にある時に、目を細めてこっそり太陽を見てみてください(太陽は直接見ると危険です。くもりの日、目を細めて一瞬見るだけにしてください)。白いです。

国際宇宙ステーションから撮った太陽の写真を見てください。白いです。運動会の赤組応援歌に太陽を使うのはおかしいのです。

私たちが見ているのは、太陽の表面大気の熱による熱放射、大気の温度はおよそ5800K(ケルビン)、摂氏5500度です。

17世紀、ニュートンは、太陽の白い光をプリズムに当てると、赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍(あい)・紫の7色に分かれること、そしてこれらの7色をレンズとプリズムで再合成すると白い光に戻ることを示しました。

私たちの目は3つのカラーセンサー(赤と緑と青)を使って色を見ます。太陽の光は赤と緑と青の光をほぼ同量含んでおり、全てが重なると私たちには白に見えるのです。

恒星は表面温度により赤寄りに見えたり青寄りに見えたりします。

光のスペクトル

太陽は何色? 虹色を合わせた白色の画像2

星の熱放射(黒体放射)

太陽は何色? 虹色を合わせた白色の画像3

豆知識

太陽は何色? 虹色を合わせた白色の画像4

天文物理学者BossB

天文物理学Ph.D.(博士)、信州大学准教授。アメリカのコロンビア大学博士課程修了後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ドイツのマックス・プランク天文学研究所などで研究活動、10年間の子育てを経て、2014年よりアカデミア(学術界)にカムバック。宇宙と物理と哲学の重複領域で研究中。著書に『宇宙思考』(かんき出版)がある。

天文物理学者BossB著『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)

小学生から楽しめて、なぞだらけの宇宙と物理のしくみがわかる!

『すごすぎる図鑑シリーズ』今回のテーマは、宇宙・天文。小学生から楽しめて、なぞだらけの宇宙への興味が広がる一冊。

ブラックホールやビッグバンといった壮大な宇宙の話から、光の速さ、時間がゆっくり進む理由、電子の不思議な動きまで、「宇宙」と「物理」をつなぐ“しくみ”を順を追った展開とシリーズの特徴である図をふんだんに盛り込んだ構成で解き明かします。 

「量子の世界って魔法みたい?」
「どうして宇宙は膨らみ続けているの?」など、大人もふと「?」と考えてしまうようなネタが満載。子どもから大人まで楽しみながら「知らなかった!」宇宙の不思議が「もっと知りたい!」という気持ちに変わる感覚を楽しめる図鑑です。