塾の保護者会・個別面談を最大活用! 中学受験で押さえておきたい質問リスト
中学受験塾では保護者会や個人面談が開催されますが、「行くべきか迷う」、「先生に何を聞けばいいかわからない」と感じる親御さんも少なくありません。しかし、これらは塾から子どもの学習状況や受験に関する情報を得られる大切な機会です。
オンライン指導を中心に中学受験を支援する「中学受験スリースターズ」を運営し、自身の息子の中学受験も経験したユウキ先生が、塾の保護者会や個別面談を最大限に活用するために押さえておきたい質問事項を解説します。
※本稿は、『「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生/KADOKAWA)から一部抜粋・編集したものです。
保護者会・面談での効果的なコミュニケーション
塾では定期的に保護者会や個人面談が開催されます。しかし、多くの保護者が「保護者会は行くべき?」「先生に何を聞けばいいの?」と感じているようです。でも、これらは塾が貴重な情報を提供してくれる機会なので、活用しない手はありません。
塾によって、その呼び方や形式は異なりますが、保護者会には塾全体の報告となる「全体会」と、クラス別の「クラス会」があるケースが多いようです。
全体会では直近の中学受験の具体的な報告があり、私立中学の募集定員の変更、共学化、入試回数の変更、最新の学校情報や、最近の入試傾向・分析結果など、保護者が各自調べるのは面倒な情報を提供してくれます。また、時期ごとの講習会の案内や今後の予定とカリキュラムの説明があるので、家庭の予定管理に役立ちます。
一方、クラス会は教科ごとの担当講師からの報告を通して、クラス全体の雰囲気や授業中の様子、各教科の指導方針や今後の学習計画の説明が主になります。さらに、クラス全体の平均偏差値や目標偏差値などが示され、子どもの現在地を客観的に把握でき、学習目標が立てやすくなります。また、補習授業や授業後の個別フォローなど、クラス独自で取り組んでいる内容がわかるので、子どもが必要なサポートを確認できます。
なお、保護者会の後は、ぜひ先生を捕まえて声をかけてください。短い時間でも、子どもの塾での状況や、今後の課題を保護者と先生で共有する良いチャンスになります。
保護者会や個別面談での具体的なコミュニケーション
とはいえ、保護者会の後には講師と話すために多くの保護者が列を作って待っているため、各自の質問の時間は限られます。だからこそ、事前に質問を整理して、「国語は時間が足りなくて最後まで解けない」など具体的な質問を用意しましょう。講師も答えやすく、さらに、保護者の心配や要望を先生の心に留めておきやすくなります。
また、「うちの子くらいの成績で相談しても迷惑かな」という遠慮の気持ちも不要です。
講師は積極的な相談を望んでいます。
保護者会/個別面談で講師に尋ねてほしいことの例
・塾での子どもの様子を具体的に教えてもらえませんか?(質問・集中しているかなど)。
・ クラスの中でうちの子はどのあたりに位置していますか?
・ 最近やる気がないようです。ぜひ先生から声をかけてもらえませんか?
・ 現状の志望校に合格するためには、どのくらいの成績が必要ですか? また、授業中の子どもの反応などから見て、合格に到達できる可能性はありますか?
・ 子どもが弱いのはどの単元・教科のどの分野ですか? どこを重点的にやれば伸びますか?
・ 提出したスケジュールや学習状況を見て、改善すべきポイントを教えてもらえませんか?
個別面談の上手な活用法
塾の個別面談こそ、子どもの成長を促すポイントを確認するチャンスです。面談を有効活用するためには、ポイントを事前にまとめ、紙に整理して面談前に先生に渡すか、当日持参します。
こうして事前に面談準備をして臨むことで、面談はお子さんの学習や受験にとって非常に有意義な時間になります。ぜひ実践してみてください。
私が実際に息子が5年生の面談の際に用意した資料の内容
●●塾面談 令和●年4月18日(月)
■現状の家庭内での共有事項
①本人に「中学受験をしてみたい」という意向はある。
→公立よりも校舎がきれいそうだ、という程度の動機。
②具体的な志望校は決まらない(当初は付属と思っていたが…)
→妻の意向としては、混まない電車で自宅から40~50分程度。
→本人は男子校で付属が希望の様子。
③本人の自己肯定感が低く、家庭内での自己主張が苦手。
→「どうしたい?」という問いに「なんでもいい」という反応。(親に言ってもどうせ言いくるめられると思っている?)
④家庭学習量が明らかに少ない。
→学校から帰宅後、友人と遊びに出かけるのが習慣化している。
※授業の時間を有効に使えているか? 塾の拘束時間が果たして有効か?(ライバルがいて、競争心が煽られる環境であれば良いが、ただの授業であるなら不要? 現状はどうなっている?)
※睡眠時間は削るべき?(親としてはそう思わない)起床時間は早められそう。
■塾に期待する価値
・目標設定をして、目標に向かって取り組むような姿勢をPDCAで回すこと。
例) 目標面談/宿題のやりかた指導/確認テスト順位表/回診電話/スケジュール面談など
・その場で「できる」ようにさせる授業/確認テストの結果次第での授業後対応
POINT
・保護者会や個別面談では事前に質問を整理し、遠慮せずに相談する
・個別面談を有効活用するために、家庭での状況や普段のスケジュールを紙にまとめて持参する
『「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生/KADOKAWA)
「集団塾」「個別指導」「家庭教師」「オンラインサロン」など、中学受験のための選択肢が増える中、どこにどれだけ時間とお金をかけるのがわが子にとっての最適解か?
塾におすすめされる教材や講習はどれだけ取り組めばいいのか?
学校と塾の両立で気を付けるべきことは何か?
など気になる話を、元大手中学受験塾講師であり、保護者としても中学受験を経験したユウキ先生が忖度なしにつづります。
