子どもの夢をかなえる保育園 RISSHO KID’S きらりで育つ「人生に必要な力」

nobico編集部
2025.12.24 09:37 2025.12.12 19:30

RISSHO KID'S きらり 代沢

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「ハンバーガーの具って、何が入っていたっけ?」
そんな子どものつぶやきを拾い、クラス全員で本物のハンバーガーを見に、お店まで足を運ぶ。そんなユニークな保育を実践するのが、世田谷区の認可保育園「RISSHO KID’S きらり」です。

子どもたちの
興味関心をとことん深掘りするきらりの保育について、「RISSHO KID’S きらり代沢」の園長、坂本由貴子先生にお話を伺いました。

(取材・文:nobico編集部 中野セコリ)

子どもの主体性を「つぶやき」から育む

RISSHO KID'S きらり 代沢

─RISSHO KID’S きらりの保育理念は、どのようなものでしょうか。

“一人の「夢」がみんなの「夢」になる 一人の「幸せ」がみんなの「幸せ」になる“を保育理念に掲げ、子どもの主体性を尊重する保育を大切にしています。

きらりの特徴のひとつが、子どもの「つぶやき」から始まる活動です。
子どもたちの日々の何気ない声の中には、興味関心や挑戦したいことのヒントが隠れています。保育者は、そんな「つぶやき」を、日々の遊びや活動につなげるサポートをしています。

─「つぶやき」から始まる活動について、具体的に教えていただけますか?

きらりでは、その日行く園外(公園)も子どもたちの声で決まります。クラスで意見が割れたときは、いくつかのグループに分かれて、それぞれ別の公園に行くこともあるんです。
そんな日常の中で、保育者が大切にしているのが、子どもたちのふとしたひと言を見逃さないことです。

たとえば「ハンバーガー屋さんごっこ」に夢中のクラスから「本物のハンバーガーには何が入っているんだっけ」というつぶやきが聞こえたら、実際に子どもたちを連れて、お店にハンバーガーを見に行きます。事前にお店の方にコンタクトを取っておくことで、お店に通していただいたり、実際に見せて説明をしていただけたりと、子どもたちのために快く協力してくださいます。

「プリンセスになりたい」というつぶやきから、プリンセスの仮装活動をされているインフルエンサーの方をお招きし、本格的な衣装の作り方を教えていただいたこともありました。

また、本物に触れる機会も大事にしています。たとえば、年長クラスでは今忍者がブームなのですが、「忍者ってほんとにいるの?」「本物の手裏剣を見てみたい」という子どもたちの興味や願いを叶えるため、長野県の諏訪郡にいる忍者の末裔の方に会いに行く予定です。ここまで長距離の園外保育は初めてなので、安全面を配慮して、予定の合う保護者の方にも同行していただきます。子どもの夢をみんなで応援して叶える瞬間を大切にしています。

伊与久松凬
取材後に真田忍者の末裔、伊与久松凬さんの道場で修業体験をした子ども達。


─このように子どもに寄り添った保育は、先生方にとっては負担ではないでしょうか。

こうした柔軟な対応を可能にするため、きらりでは基本的には各クラス複数担任とし、十分に余裕のある人員を確保しています。また、職員一人ひとりを大切にするため、福利厚生にも力を入れています。たとえば今年からは、園に整体師の方を招き、職員が施術を受けられる取り組みも始めました。

先生が安心してチャレンジできる環境が整っていることが、子どもたちの幸せにつながり、さらに親御さんの幸せにもつながります。人は一人生きてるのではなく人によって生かされているという「共生」の考えが、きらりの保育理念の根底にあります。

開園当初は子どもがつぶやかなかった!?

RISSHO KID'S きらり 代沢

─開園したばかりの頃、子どもたちや先生方はどんな課題を抱えていましたか?

きらり代沢は、2019年に開園した、グループの中では比較的新しい園です。開園当初は、他の園から転園してきた子どもたちがほとんど。一方、職員はきらりの保育しか経験してこなかった先生と、きらりの保育が初めての新人職員ばかりでした。

転園してきた子どもたちは、ゼロから何かを生み出す主体的保育の経験は少ないようでした。いざ子どもたちの興味関心を拾おうとしても、誰も何もつぶやかないんです。「何をしたらいいですか?」という表情で、保育者の指示を待っている子どもたち。先生たちは丁寧に信頼関係を重ねながら子どもたちの内側に芽生えつつある願いを信じて待ち、「何がしたい?」とひたすら子どもたちに問い続けました。

「今日は何をしたい?」「それなら、あの公園がいいね」と繰り返すうちに、子どもたちも「やりたいことを叶えてもらえるんだ」と分かり始め、自分の興味があることを積極的に発するようになったんです。当時は本当に手探りの毎日でしたね。

「決まり重視」の学校生活、卒園児たちはどうしている?

RISSHO KID'S きらり 代沢

─子どもの主体性を大切にするきらりですが、小学校に上がると「決められたことをやる」ことが求められるように思います。そのギャップには馴染めるのでしょうか。

子どもの主体性や自主性を重視しているからといって、「椅子に座れない」「先生の話を聞けない」というわけではありません。ただ、今まで自分のやりたいことをとことん追求できる環境で育ってきた子が、小学校という知識技能の習得を目的とする環境に対して、今までとのギャップを感じ悩むこともあるようです。

かつて、なかなか学校になじめなかったお子さんに、放課後きらりで過ごしてもらったこともありました。園で気持ちを落ち着かせるうちに、最終的には学校生活にも無理なくなじむことができました。

小学校入学を見据えて、学校生活に適応しやすい活動スタイルを取り入れることを考えたこともあります。ですが、そもそも乳幼児教育・保育と小学校教育では育てたい力が違う。この乳幼児期では、生きる力の土台を育むこと、子ども自らが感じ・考え・試す主体的な学びを積み重ねることが大切だと考えています。きらりが小学校と同じような知識・技能の習得を目指す活動に変えていくことは違うと考えました。

─きらりの保育の中で育つ、子どもたちの力とはどんなものでしょうか?

やりたいことを自分で考え、失敗を繰り返しながら、実際に叶えていく経験を積み重ねていくため、自己肯定感や自己効力感(自分ならできると信じる力)がしっかりと育つと思います。

そして、どうしたらいいかを考えて動く力、エグゼクティブファンクションといった力も大いに身に付けているのではないかと感じています。

きらり出身の自分の娘たちを見ていても、それを実感します。小学校3年生は自分でパンケーキを焼き、6年生は家族の夕飯を作ってくれることもあります。きらりでは食育にも力を入れているので、在園中から包丁を使うことも多く、その経験も活きていると感じます。忙しいときに「あれやりたい、これ作りたい」と次々要望が出るので、正直大変なこともありますけど(笑)。

小学校の高学年になると、きらりで育んだ「自分で考えて行動する力」が発揮できる場面が多く始まります。そうなると、きらり出身の子どもたちは、いきいきと自分らしさや問題解決力を発揮するようです。行事の代表に選ばれたり、発表の場で活躍する姿もよく耳にします。

こういった姿を支える自己肯定感や自己効力感、エグゼクティブファンクションといった目に見えない力(非認知能力)こそ、これからの時代を生きていくうえで必要な力ではないでしょうか。

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