消極的な子が一変 先生が子どもの才能を開花させた「みんなの前で」の一言
「自分なんて、どうせ…」 そんな消極的な思い込みを抱えた子どもが、たったひとつのきっかけで、見違えるように自信に満ちあふれた姿に変わることがあります。
花まる学習会代表の高濱正伸さんが、自身の人生をガラリと変えた恩師との出会いと、子どもの才能を開花させる「言葉の力」について語ります。
※本稿は、高濱正伸著『AI時代を生き抜く人間力!伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春文庫)から一部を抜粋し、編集したものです。
たった一度「得意なこと」をほめるだけで一生が変わる
大人のひと言が子どもに自信を与え、見違えるように変わることは多いものです。人の一生に影響を与えることも珍しくないのです。自分の話で恐縮ですが、私にもそのような経験があります。
私は3人きょうだいで、勉強がよくできる姉と、ハンサムな弟にはさまれ、指しゃぶりをしているような子どもでした。
小学校1、2年生のころはおとなしく、目立たない子どもでしたが、3年生のときにガラリと変身したのです。
それは、当時の担任であるN先生の影響が大きかったと思っています。まなざしのやさしい女性の先生で、なぜか先生のそばにいると安心したことを覚えています。
ある日の算数のテストで、複雑に描かれたマス目のなかに、長方形が大小合わせて何個あるかという問題がありました。注意深く見ないと見落としてしまいがちな問題です。
私は「できたぞ」という手応えを感じて、テストを提出しました。数日後、テストが返却されると、100点でした。
N先生は長方形の問題にふれながら、「この問題ができたのは、高濱君だけだったよ」
と、みんなの前で言ってくれたのです。
このときの何とも言えない高揚感は、いまでも忘れられません。私が変わったのはそれからです。
給食の校内放送が流れると踊り出したり、みんなを笑わせるのが得意な子に変身していったのです。勉強面でも自信をつけていきました。
いま振り返っても、なんとすばらしい先生との出会いを得られたのだろうと感慨が込み上げてきます。私がいま、この仕事をしてメシが食えているのも、N先生のひと言のおかげです。
いま、社会人として頑張っている人にも、一度はこのような経験があるのではないでしょうか。

高濱正伸著『AI時代を生き抜く人間力!伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)
AIが答えを教えてくれて、「頭がいい」の常識が変わった今の時代に必要なのは、人としての魅力や心の強さ=人間力です。
“教育界のカリスマ”の超人気講演「母親だからできること」のポイントを1冊にまとめたシリーズ(単行本と文庫)累計12万部のベストセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』に、スマホとのつきあい方、不登校の問題、令和の母の新常識などの新情報を追加した増補新版。
わが子を「メシが食える大人」に育てるための88(ハハ=母)のメッセージがつまっています。