「本を読むと頭がよくなる」は本当だった! “読書家”を育てるために親ができることは?

堀田秀吾

「本を読むと頭がよくなる」という言葉は、決して根拠のないイメージではありません。
海外の研究では、子どもの読書習慣と学力の伸びとの間に明確な関連が示されています。

『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』より、その研究結果と、子どもを本好きに育てるために親ができることを紹介します。

※本稿は、堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

読書量の多い子は「学力」が高い!

お子さんの学力、気になりますよね。ドリルを買い与えたり、塾に入れたり、学習アプリをインストールしたりと、いろいろ試されている方も多いでしょう。しかし、学力向上にはいわゆる「教材」だけでなく、家庭での読書習慣も大きな影響を与えることがわかっています。たとえばチェスナット・ヒル大学のリーとフィッツパトリックの調査では3歳や4歳で本を読み始めた子どもたちの82%が小学校以降での学業成績について「優秀」または「非常に良い」と評価されています。

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大規模な追跡調査でわかった真実

また、英国では1970年生まれの人を対象にした大規模な追跡調査が行われました。そのデータを分析したロンドン大学のサリバンとブラウンは、子ども時代の読書習慣が10歳から16歳という思春期の認知能力の成長にどのような影響を与えたかを詳細に調べました。その結果、楽しみのための読書はこの期間の認知能力の「実質的な進歩」と強く関連していることがわかったのです。

これは単にもともと能力の高い子が本を多く読むというだけでなく、読書そのものが子どもたちの認知能力を高めることを示唆しています。とくに強く成長が見られたのが語彙力です。本を読むことで子どもたちは自然と多様な言葉や表現に触れる機会を得ます。話の流れの中で新しい単語の意味を推測したり使い方を学んだりすることで、語彙が豊かになっていきます。

さらに興味深いことに、この研究では(傾向としては弱いながらも)数学の力の伸びとの関連が見られました。関係ないように思えるかもしれませんが、読書は一般的な学習能力や理解力を高める効果があるため、他の教科にも良い影響を及ぼすと考えられています。

この研究で特筆すべきは分析にあたって家族の経済状況や両親の学歴、家庭での読書環境、過去の学力テストの成績といった背景要因を詳細に考慮に入れていることです。これらの影響を取り除いて分析してもなお、子ども自身の読書習慣が認知能力の進歩に統計的に見て大きな、そして重要な影響を与えていたのです。

中学校に通う時期の認知能力の伸長については、両親の学歴より読書が与える影響が重要であったという結果も出ています。

「いやいや。子どもが読書好きならそもそも悩んでいない」という気持ちはわかります。その方法については第1章で説明したように、あらゆる手を使って本に興味を持ってもらう環境を作ることです。子どもが本に興味を持って読書が習慣になれば、あとは自走していきます。

メリーランド大学カレッジパーク校のガザリーらによる思春期の子どもたちを対象とした研究は、この点に光を当てています。お子さんが本を「読むこと自体が楽しい」と感じたり、「自分には本を読むことができる」という自信(自己効力感)を持てたり、「読書は自分にとって価値があるものだ」と認識したりするなど、読書に対するポジティブなモチベーションを持っている子どもは「積極的に読書に取り組もう」という意欲も高い傾向があることがわかりました。お子さんが読書を好きになるように伴走してあげることは、お子さんの将来的な学力や豊かな心を育むうえで大変価値のある投資と言えそうです。

いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方

堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)

「読書すると学歴が高くなるってホント?」
「本好きの子にするためにすべきことは?」
「親が読書家だと、子どもも本好きになる?」
「電子と紙の本、効果は同じ?」
「読書をしている子はグレにくい?」
――ハーバード大、MITなどの最先端研究から、子どもにとって「最高の読書法」がわかる!

「子どもに読書習慣をつけさせたい」親は多い。
しかし、小学生の読書量は30年前(親世代)と比べ3分の1に減少。高校生にいたっては2人に1人が「読書ゼロ」の状況だ(学研教育総研調べ)。
誰もが「読書はよいもの」とうっすら感じているが、じっさいのところ読書はメリットだらけ。
最新研究でも、読書の効果は、「語彙」や「学力」だけでなく、「創造力」「共感力」「メンタルヘルス」にも影響することがわかってきた。
本書では、年間数千本の論文を読む「科学論文オタク」の言語学者が、「いまの科学でいちばん正しい、最高の読書法」を教える。