実は30代は12.7万円損している 選挙に投票しないことで起こるデメリット

宇野重規

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世界と比べても低い、日本の10代~30代の投票率。「投票に行かないだけで、何が変わるの?」と思う人も多いかもしれません。

でも実は、投票しないことで間接的に「損をしている」とも言えます。
若者の投票率の低さが社会にどんな影響を与えるのか、これから選挙権を得る子ども達にも知ってほしいポイントを、宇野重規先生監修の児童書より抜粋してお届けします。

※本稿は、宇野重規 (監修)『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

どのくらいの人が選挙で投票してるの?

①投票率の高い国の取り組み
オーストラリアで90%以上の高い投票率が得られるのは、投票に関して義務や罰則の制度を設けていることが要因の一つだと考えられます。一方で、罰則がないスウェーデンなどは、子どもへの教育により選挙の必要性を教え、高い投票率を実現しています。

②日本の投票率は世界的にも低い
日本の国政選挙の投票率は、1990年代に入ってから低下傾向にあります。特に近年は50%台が続き、国民の政治への関心の低下に注目が集まっています。2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられましたが、初めての国政選挙での10歳代の投票率は46.78%と、半数には届きませんでした。

③若者の投票率が低いと何が問題?
日本の若者は、世界の若者と比べて、政治への関心が低いという調査があります。たった一人の意見では政治に影響がないと思うかもしれませんが、多くの若者が投票を棄権すると、上の世代のみを優先した政治になってしまうかもしれません。

●日本の投票率の世代間格差
どの選挙においても日本の若者世代の投票率が上の世代に比べて低いことは、国が頭を悩ます問題です。2022年7月の第26回参議院議員選挙では、全世代を通じての投票率が52.05%であったのに対し、10歳代は35.42%、20歳代は33.99%、30歳代は44.80%と低い割合にとどまってます。若者が政治に関心をもてるよう効果的な教育や工夫が求められています。

棄権しても損はしない?

選挙権は無料で得られるため、投票せず棄権しても損はしないようにも思えます。
しかし、国民が国に支払うお金(税金や社会保険料)や、国が国民に支給するお金(年金や健康保険などの社会保障給付)は、選挙で選ばれた国会議員が議論して決めています。そのため、投票しないと間接的に損をすることもあるようです。

選挙を棄権することで年間一人あたりいくら損をしているかを割り出した試算によると、10代は12.4万円、20代は17.5万円、30代は12.7万円になりました。これは、若者の投票率が低く、若者の意見が政治に反映されにくいことも大きな要因です。

 

選挙、誰に入れる?: ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと

宇野重規 (監修)『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)

「選挙、誰に入れる?」

子どもにそう尋ねられたとき、あなたは自信をもって答えられますか?

政治が暮らしと密接に結びついているのはわかっていても、なんだか難しく感じる人も少なくないでしょう。
この本は、税金、社会保障、給与、エネルギー、多様性、選挙のあり方など、ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておいてほしい様々なテーマを、豊富なデータと図解でわかりやすく解説しています。

この本を読めば、あなたもちょっとだけ自信をもって投票できるようになるかもしれません。