「学力だけ」はもったいない 中学受験で忘れがちな「精神面の成長」の大切さ

井上晴美

中学受験を意識し始めると、どうしても成績や勉強量に目が向きがちです。
しかし、受験勉強に臨む小学4年生から6年生は、心も体も大きく育つかけがえのない時期。この時期だからこそ大切にしたい「学力以外の成長」について、中学受験ママ力開花アカデミー主宰・井上晴美さんの著書より抜粋してご紹介します。

※本稿は、井上晴美 (著)『中学受験で子どもを壊さない! 合格へ導く「5つの約束」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋、編集したものです。

学力だけでなく、「幼さ」に寄り添いながら精神面を育てていく

中学受験に本気で向き合う4年生から6年生の時期は、子どもにとってとても大切な時期。心も体もぐんぐんと伸びていくタイミングです。

親や先生、友だちなどたくさんの人たちとの関わりの中で大いに刺激を受け、新たな価値観を吸収して成長していく。そんな貴重な時期なのです。

この時期に意識したいのは、子どもの精神面を豊かに育てること。

子どもの未来を想像してみましょう。どんな大人になってほしいと思いますか?

たくさんの人たちから信頼される人、思いやりにあふれた人、才能にあふれる優秀な人。きっといろいろなイメージがあることと思います。

わが子がそんな大人になるために親にできるのは、心がぐんぐんと育つこの時期に、その意識を持って関わることではないでしょうか。

そのための一歩として、声かけや態度、関わり方を工夫することで、子どもの心は豊かに成長していきます。

まずは、自分で考え、自分の意志で行動できる子どもに育てていきましょう。

中学受験を目指す子どもたちに1日の過ごし方を聞いてみると、「学校の後は塾に行って勉強、家に帰れば宿題をして親と勉強の話をするだけ」というパターンが多いようです。

片づけや身支度などの身のまわりのことは親にやってもらい、言われるままに勉強だけをする。そうしているうちに、あっという間に1日が終わってしまうのです。そんな毎日を過ごすのは、成績のことだけを考えると効率的かもしれません。

ですがそれでは、たとえ成績は上がったとしても、子どもの精神面は幼いまま。自立した心が育まれにくくなってしまいます。

中学受験に取り組んでいるこの時期は本来、学力だけでなく、精神面を育てるための大切な時期です。

だからこそ私がおすすめしたいのは、自立した生活習慣を身につけるなかで、精神面を成長させていくこと。

食事の後片づけをしたり、学校や塾に行くための持ち物を準備したり。そうした身のまわりのことを、自分の意志でできるようにする。

当たり前のことと思われるかもしれませんが、そんな当たり前を根気よく身につけていきましょう。

自分で考え、自分の意志で行動できる。生活の中でそんな心の土台が育っていれば、学力も人間力も高く積み上げていくことができます。

自分の意志で勉強をがんばるようになれば、それは言われるままにやらされている勉強とは比べものにならないくらいに楽しくて、やりがいが持てるようになります。そんな気持ちで勉強を続けていれば、親の関わりとは関係なく成績は伸びていきます。

未来のための土台を、まずは丁寧に育てていきましょう。

【ポイント】
・小学4〜6年生は、学力だけではなく精神面も大きく育っていく大切な時期
・自立した生活習慣を身につけることで、自分で考え、自分の意志で行動できる心の土台が育つ
・心の土台が育ち、自分の意志で勉強できるようになれば、親の関わりとは関係なく成績が伸びていく

中学受験で子どもを壊さない!合格へ導く「5つの約束」

井上晴美 (著)『中学受験で子どもを壊さない! 合格へ導く「5つの約束」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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