日本の学費は家庭のお財布頼り? 国ごとに比べてわかった教育への税金の使い方

宇野重規
2026.02.05 14:54 2026.02.12 11:50

小学生の男女

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日本の子どもたちは中学校まで義務教育を受けられますが、授業料は無償でも図書費や通学費など、家庭からの出費は年間6万円以上かかります。
一方で、世界には高校までが義務教育の国や、大学の学費まで国が負担する国もあり、教育費の自己負担は国によって大きく違います。
日本では教育にどのくらい税金が使われているのか、宇野重規先生監修の児童書より抜粋して解説します。

※本稿は、宇野重規 (監修)『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

教育にどのくらい税金が使われている?

『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より

①日本の教育支出は決して多いほうではない
日本が教育に使う税金の額は先進国の中で多いほうではありませんが、2010年以降は増加傾向にあります。これは、高校生の学費に対する経済支援を行う目的で、2010年に導入された授業料支援制度のためだと考えられます。

②高校まで通うのが当たり前?
日本の義務教育期間は小学校から中学校までの9年間ですが、世界には日本でいう高校までを義務教育としている国があります。また、ヨーロッパには大学の授業料も無償の国があるなど、教育制度に対して税金が多く使われている傾向にあります。

『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より

③日本の義務教育は無償?
日本は他の国と比べて、家計から支出する教育費の金額が多いのが特徴です。義務教育では公立学校の授業料は無償ですが、図書費や通学費など、公立小学校に通う子ども1人につき、年間約6万円以上の出費があります。

●学校に通えない子どもがいるの?
世界には、教育を受ける年齢であっても小学校に通えない子どもが6700万人(2021年時点)もいて、その多くは途上国に集中しています。学校が近くにない、家庭が貧しく家計を支えなければいけない、戦争に巻きこまれてしまう、などが原因となっています。

高等教育の学費負担

『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より

日本で最も学費がかかるのが、大学や大学院などの高等教育です。4年間の平均的な学費は、国公立がおよそ250万円、私立が300〜500万円ほどで、奨学金を借りる学生も少なくありません。

OECD(経済協力開発機構)の調査によると、フィンランドは高等教育の費用の90%を政府が負担していますが、日本は51%を家計が負担しています。これはOECD平均の22%と比べても倍以上の負担率です。

大学や大学院は、その国の学問や研究の発展のためにも重要な役割を持つ教育機関であり、より手厚い国の支援が必要といえそうです。

『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)より

宇野重規

東京大学教授

X:@unoshigeki

選挙、誰に入れる?: ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと

宇野重規 (監修)『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(Gakken)

「選挙、誰に入れる?」

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