虫と恐竜のバトルは可能? “ありえない戦い”を本気で描く「最強王図鑑」の世界

nobico編集部
2026.03.10 17:47 2026.03.19 11:50
『異種最強王図鑑』より
『異種最強王図鑑』より
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リアルな動物バトルから始まった「最強王図鑑」は、恐竜、妖怪、異種、ドラゴンへと、戦いの世界を広げてきました。

大人気シリーズはどのように進化してきたのか。そして最新作『ドラゴンタッグ最強王図鑑』の読みどころとは。シリーズを手がけるGakkenの編集者・目黒哲也さんに話を聞きました。

※本記事は『水中最強王図鑑』『ドラゴン最強王図鑑』『異種最強王図鑑 天界頂上決戦編』のネタバレを含みます 

「妖怪」から広がったシリーズの方向性

最強王図鑑

――数ある「最強王図鑑」の中で、ご自身の思い入れが強い作品はどれでしょうか?

どの本にも色々チャレンジしたポイントあるのですが、まず一つは4作目の『妖怪最強王図鑑』です 。

最強王図鑑は「動物」、「絶滅動物」、「恐竜」という順番で発刊し、4作目のテーマの候補として「昆虫」が上がっていました。しかし、「昆虫」の前に、架空の生き物を戦わせる「妖怪」というテーマに踏み切ったのは、シリーズの方向性にとって大きなポイントだったと感じてます。その後、「妖怪が楽しんでもらえるなら幻獣も」と、大きな広がりを持たせることができました。

最強王図鑑

もう一つは、動物、絶滅動物、恐竜、昆虫を種族を超えて戦わせる『異種最強王図鑑』です。本がぐっと売れ出したのが、このあたりからでした。

もともとはリアルな戦いをシミュレーションする図鑑だったんですが、異種混合になると、ある種のファンタジー性が生まれるというか、ありえない戦いになっていくんです。そうなると、創造力や妄想力をちょっとジャンプさせなきゃいけないのですが、その振り切り方がうまくいったように思います。

ほかにも「タッグ最強王」シリーズには思い入れがあります。2対2という形式は、子どものころに読んでいたバトル漫画でも印象的だったものなので。タッグマッチになることで、戦い方のバリエーションが一気に広がって面白くなるので、最強王図鑑にも取り入れました。もっとも、それを表現するイラストレーターの方の労力は尋常ではないと思いますので、頭が下がる思いです。

最近では、「重さを同じにしたら、いったい何がいちばん強いのか」といったコンセプトの「PFP」のシリーズも気に入っています。

シリーズの魅力が恐縮された『水中最強王図鑑』

最強王図鑑
『水中最強王図鑑』より

――住んでいる時代や大きさが全く異なる動物たちのバトルが楽しめるのが、「最強王図鑑」シリーズの魅力ですね。

そのあたりの要素がすべて凝縮されているのは、『水中最強王』だと思います。『動物最強王図鑑』に登場するのは現生動物ですし、『恐竜最強王図鑑』だとジュラ紀や白亜紀の生き物が登場しますが、『水中最強王図鑑』はカンブリア紀のアノマロカリスから現代のシャチまで、全時代から最強の生物が大集結しています。

異種混合対決的な要素もありますし、浮力の影響で大きさが必ずしも強さに直結しないところも面白いポイントですね。シリーズの中では、『水中』と『ドラゴン』が一番よく読まれています。

――『水中最強王図鑑』といえば、勝敗について子どもたちからさまざまな声があったと聞きました。そのあたりはいかがでしょう。

サメの人気が高いこともあり、「メガロドンがなぜ敗退したのか」と電話で問い合わせを受けたことがあります。説明はしましたが、お子さんは納得いっていない様子でした。

――私の息子も『水中最強王図鑑』のファンなのですが、大好きなモササウルスがシャチに負け、少々腑に落ちていない様子でした(笑)。

シャチが勝った理由はいくつかありますが、ひとつはスピードです。実はシャチとモササウルスでは、泳ぎ方の仕組みが違うんです。

シャチは哺乳類なので、尾びれが横向きについていて、体を上下に動かして泳ぎます。一方、モササウルスは爬虫類で、尾びれが縦向きについており、体を左右にくねらせて進むんです。

この違いが大きくて、上下に動かす泳ぎ方のほうが推進力が強く、スピードが出やすいと考えられています。

つまり、構造的にシャチのほうが速い可能性が高い。さらにシャチは知能も高いですし、哺乳類なので肋骨で内臓がしっかり守られている。その点も有利だと考えました。

モササウルスの人気は、映画『ジュラシック・ワールド』の影響も大きいと思っています。より大きく見えるような設定で、ど迫力の生き物でしたから、人気が出るものさもありなんです。

応龍は勝ち残れる? タッグ戦で問われる連携力

最強王図鑑
『ドラゴンタッグ最強王図鑑』より

――最新刊の『ドラゴンタッグ最強王図鑑』の読みどころを教えていただけますか?

一般的な「最強王図鑑」シリーズでトーナメントに出場するのは基本的に24体なのですが、今回はタッグ戦なので、16組、つまり32体が出場します。『ドラゴン最強王図鑑』には登場しなかったドラゴンが新たに加わっているので、そこは見どころですね。

――『ドラゴン最強王図鑑』の人気キャラクターも引き続き登場しますね。

中でも注目なのは、『ドラゴン最強王図鑑』で優勝した応龍(オウリュウ)です。応龍は『異種最強王図鑑 天界頂上決戦編』でも優勝していることもあり、その強さから子どもたちからの人気が高いドラゴンです。

ただ、今回はタッグ戦ですので、単体でどれだけ強くても、タッグパートナーとの組み合わせや連携が勝敗を左右します。応龍が最後まで勝ち残れるのかも読みどころのひとつです。

――なるほど、1匹の実力では勝敗が決まらないんですね。応龍は誰とタッグを組んでるんでしょうか?

フェルニゲシュです。スピードに特徴があり、かっこよさで人気のあるキャラクターなんですが、パワー面ではそこまで突出しているわけではありません。

――タッグの組み合わせは悩まれましたか?

そうですね。まず、どんな理由で組ませるか、というのは考えました。たとえばギリシア神話に登場するヒュドラとラードンは兄弟なので、分かりやすい組み合わせだと思います。

一方で、あまりに強くなりすぎると不公平になってしまうので、なるべく拮抗するようにバランスも取ったタッグもあります。応龍は単体だとかなり強いので、タッグではフェルニゲシュと組むことになりました。二体に特別な関係があるわけではないんですが、トーナメントを白熱したものにするためのバランスですね。

どのタッグが勝つのか最後まで分からない、予想のつかない戦いを楽しんでもらえたらと思います。

最強王図鑑は「読む」から「参加」へ

最強王図鑑の編集者目黒哲也さん

――最後に、ファンの方へメッセージがあればお願いします。

10周年記念企画の一つとして、自分で考えた最強のキャラを募集する「オリジナルミュータント最強王図鑑」というイベントを開催しました。つい先日結果を発表したばかりなのですが、全部で1万5000作もの応募をいただいたんです。

「最強王図鑑」は、読んで楽しむコンテンツから、自分で考えたり想像したりして楽しむ段階へと進んできたとも思います。これからは、こうした読者参加型の機会も、なるべく増やしていきたいです。

子どもに限らず、読者の皆さんが生み出したキャラクターが本に登場して活躍する。そんな体験を増やせたら、とても楽しいだろうなと思っています。

――大人も応募していいのでしょうか。

もちろんです。「オリジナルミュータント」にも大人の方から応募が届いていますし、家族で楽しむ書籍になりつつある「最強王図鑑」シリーズは、もはや子どもだけのものだとは思っていません。大人の方もぜひ楽しんでいただきたいですね。

nobico(のびこ)編集部

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ドラゴン タッグ最強王図鑑 (最強王図鑑シリーズ)

木下昌美 (監修), なんばきび (イラスト), 七海ルシア (イラスト)『ドラゴン タッグ最強王図鑑 (最強王図鑑シリーズ)』(Gakken)
超人気の「最強王図鑑」シリーズにおいて、もっとも人気の高い「ドラゴン」。そのドラゴンがタッグバトルで登場! 応龍、ファイヤー・ドレイク、ヴリトラ、レヴィアタンなど、ご存じ人気ドラゴンに加え、ついに初登場の、まだ見ぬドラゴンたちがベールを脱ぐ!