子どもへの愛情に自信が持てず、自分自身を否定していませんか?保育士おとーちゃんこと須賀義一さんからの、心がラクになるアドバイスをご紹介します。

 

 

「愛情」に悩むのは「愛情」のある証拠

 

僕は、カウンセラーでもお医者さんでもないので、大人の自己肯定感を直接どうにかするということはできません。でも、子育てのなかで直面する自己肯定感の欠如や自己否定感に対しては、何かしらのヒントや、方向性を示せると感じています。それは僕自身が、保育士の経験や我が子の子育てのなかで悩みながらも、自己肯定される瞬間を実際にたくさん感じてきたからでもあります。

 

まず、いくつかはっきりと伝えたいことがあります。

「愛情」という言葉に振り回されて悩んでいる人。

子育てが本当に行き詰まると「私には愛情がないのかしら」といった、自分を責める問いが頭をよぎります。でも、子どもへの真剣な思いがなければ、そもそもそのような悩みが出てくることはないのです。つまり、「愛情がないのかしら」と悩むのは、「愛情」があることの明確な証なのです。

たまたまいまは、子育てのやり方がわからなくなって混乱しているだけです。あなたはちゃんと子育てしていけます。大丈夫です。自分を責めないで。そんなときは、ちょっとコーヒータイムです。なにかおいしいものでも食べて、自分のいいところも思い出してあげてください。

そうしたら、

「自分にはいろんな欠点もあるけれども、それでもこれまで何十年と、この自分でやってこれた。そんな自分も嫌いじゃない」

そう思ってあげましょう。もちろん、「やっぱりそんな自分も大好き」でもいいです。

 

「愛情」という言葉を使って、あなたを責めてくる人がいたとすれば、その人はいろんなことがたまたまうまくいった人なのでしょう。もしくは、自分にも同じようなことがあったことを忘れてしまっている人です。

その人は親切で言ってくれているのかもしれませんが、いまは相手の立場を汲み取ることができなくなっています。いいと思うところだけ聞いて、嫌なことは聞き流してしまいましょう。それで大丈夫です、なんの問題もありません。

 

次に、「完璧な人」などいません。

「子どもにいつも感情的に激しく怒ってしまう」とか、「ついイライラして子どもを無視してしまった」といったことは、誰にでもあることです。子育てが完璧に見える人も、子育てがうまいことを自慢している人も、実はみんなそういう経験があるのです。

そういったことから毎日後悔して自分を責めても、それは苦しくなるばかりです。子どもはとても柔軟なので、ちょっとやそっと、それどころか結構いい加減な関わり方をしても、消化してちゃんと育っていけます。子育ては完璧でなくたっていいんです。下手だってかまいません。

よくない関わり方をしてしまったからといって、悩んで後悔して、あとで「ごめんね」と子どもに謝ったとしても、子どもは少しもうれしくはありません。後悔して「ごめんね」を言わなくてもいいから、その分前向きに「あなたのことが大好きよ」と伝えてあげましょう。そうやって気持ちを伝えることができていれば、子育てそのものはうまくなくても、ちゃんと子どもは育っていきます。

 

そして、「子どもは親の一番の味方」であることを忘れないでおきましょう。

「ママなんか嫌い」「パパあっち行け」といった子どもの言葉に振り回されて、自信喪失してしまったり、本気で頭にきて、自分のほうからも否定的な言葉を言ってしまうといった人がいます。

子どもは口でなんと言おうと、本心では親のことが大好きだからそのように言うのです。大好きだからこそ、自分を見てほしい、自分の気持ちを理解してほしいと思うのです。

また、なんと言おうとも、自分を見捨てることがないと絶対的な信頼を置いているからこそ、親に悪態がつけるのです。その言葉を真に受けて振り回され、否定の言葉で返したら、子どもの持つ絶対的な信頼は揺らぐことになりかねません。

子どもは、どんなことがあっても親の一番の味方です。子どものほうから、親を見限るということは決してありません。それを忘れないで、自信を持って向き合ってあげてください。

 


 

【本書のご紹介】

 

保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」

 

『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』

子育ての悩みはどうすればいいの? 食事、友達関係、親子関係など様々な問題を通して、子育てで一番大事なことを教えてくれる決定版。

 

【著者紹介】

須賀義一(すが よしかず)

1974年生まれ。子育てアドバイザー。東京都江戸川区の下町に生まれ、現在は墨田区に在住。大学で哲学を専攻するも人間に関わる仕事を目指して、卒業後国家試験にて保育士資格を取得。その後、都内の公立保育園にて10年間勤務。子どもの誕生を機に退職し、子育てアドバイザーとして、子育てについての研究を重ね、執筆、講演活動、ワークショップを展開。従来の子育てを見直し、個々の子どもを尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。家族は妻と一男一女がいる。 第一作目の『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP文庫)がロングセラーとなり、本作はそれに続く第二作である。