小学2年生の息子は自己主張が苦手で口下手です。1人でフィギュア遊びをしたり、マンガを読むのが好きなのですが、なるべく「一緒に遊ぼう」と誘い、少しでも会話が増えるように心がけています。

しかし、「フィギュア遊びのほうが楽しい」と言い、1人のほうが気楽なようです。ただ、これまでコミュニケーション力の低さが原因でトラブルに巻き込まれたり、同級生に意地悪をされることもあったので、心配で焦ってしまいます。


一方、夫は私を「型にはめすぎだ」「育児書の読みすぎだ」と言い、取り合ってくれず、口論になることもあります。実は夫も、1人でマンガを読んだりするのが大好きなのです。このままでは息子がいじめられないかと心配なのですが、どうすればよいでしょうか。

(愛知県・主婦・40歳)

 

 

愛子先生からのアドバイス

――お子さんの気持ちに心を添わせ存分に存在をほめましょう

 

自己主張が苦手で口下手、コミュニケーション力が低いと決めつける前に、なぜ息子さんがそうなのかを考えていただきたいと思います。子どもは本来、どの子もおしゃべりです。あなたのお子さんも、小さい頃はおしゃべりではありませんでしたか? それが、なぜ口下手な子になってしまったのでしょう? 何か言うと言い返されたり、非難されたりしていると、「またあの悲しい気持ち、寂しい気持ちになりたくない」と思い、口数も少なくなります。何を言っても、何をやっても叱られたり、口を出されたりすることが続いていたら、1人でいるほうが気楽になるのも当然です。そのようにお子さんに接してこなかったでしょうか?


心配や焦りが先に立つ気持ちはわかりますが、あなたがまずしなくてはいけないのは、息子さんの今感じていること、思っていることに身を浸して、心を添わせることです。フィギュア遊び、ゲーム、マンガに対する否定的な気持ちがあるなら、それも脇に置いて、お子さんが今どんな気持ちで遊んでいるかに心を添わせましょう。

 

◎「何をしていても、あなたのことが大好き」

 

そもそも楽しいものがあるというのはいいことですよ。それを認めてあげ、「何が楽しいの?」「どのマンガがお勧め?」と子どもと一緒に楽しんでください。それがコミュニケーションになります。


そして、お子さんのよいところをほめ、「あなたがマンガばかり読んでいても、ママはあなたのことが大好きよ」と強く伝えてほしいと思います。「こうすべき、ああすべき」「こうあらねばならない」から脱し、お子さんのありのまま、存在そのものを受け入れ、ほめてください。するとお子さんは自分自身が好きになれます。


人間には気質があります。息子さんはどちらかというと1人が好きな子なのですから、そこをどうにかしようとする必要はありません。「自分を好きな子」でいられれば、おのずと「考える力」が育っていきます。自分を信じる力が育ち、人とコミュニケーションしていくことができるようになります。もし、親の理想通りにできないことでお子さんを責めるのであれば、それはいじめていることになってしまいます。親にいじめられている子は自分に弱点を感じているので、外でもいじめられやすい傾向があります。ご主人の姿に対しても本気で寄り添って、本当に非難することなのかと再考なさってみてはいかがでしょう。 

 

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高橋愛子(たかはし あいこ)

家庭教育研究所代表

1938年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。3男1女の母親。カウンセラー、セラピスト、ファミリー・コンサルタントとして、企業や学校などで研 修を行なう。2009年より全国の親子支援者と「安心親子応援団」を結成。著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモトゥーワン)など多数。

☆高橋愛子家庭教育研究所  http://www.aiko-katei.com/

 


 

  

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『PHPのびのび子育て』は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌です。