「イヤイヤ」がとまる10の方法
何を言っても反発されるこの時期。 子どもの中でどんな変化・成長が起こっているのでしょうか?
※本稿は『PHPのびのび子育て』2012年1月号から一部抜粋・編集したものです。
石川洋子(文教大学教授)
日本女子大学大学院修士課程修了(家政学研究科児童学専攻)。子育て支援、母親支 援をライフワークに活躍中。著書に『子育て支援カウンセリング』(図書文化社)ほか。
「イヤイヤ・だだこね」はなぜ起こる?
・1歳頃の心理 ニコニコしたり、大泣きしたり、純真で無邪気
1歳前の子どもは、ママがちょっとでも見えないと大騒ぎ。大泣きで訴えます。でも ママが戻ってきて抱っこしてくれると、たちまち、にっこり。泣いたり笑ったり、私たちは本当に、感情の生き物です。
そしてそれと同時に、意図や意志を持った生き物でもあります。1歳前には、音を出すためにおもちゃのひもを引っぱるというように、目的を果たすための行動がとれるようになるのです。
子どもは、自分の意志で何かができることを発見した嬉しさでいっぱいになります。1歳頃に歩けるようになるとさらに、好奇心旺盛に周囲の探索をくり返します。人はもともと、自分の意志や意識、自我を発達させ行動しようとする志向性をもっているのです。
・イヤイヤ・だだこね期の心理 自分と他人を区別。思い通りにしたい
私たちは、自分の「自我」を大切にし、それを育てていこうとする存在です。 1人で洋服を着たい、もっと外で遊びたいと思い、主張を通そうとします。これが強くなるのが1歳半〜3歳頃です。どの子もだいたいこのくらいの年齢で出てきます。
でもまだ1人でうまくできないのでイライラするし、「もう帰る」という親の指示や言葉には反発もします。 子どもの「イヤ」「ダメ」の言葉の裏には、自分を他人と区別し、自我を通したいという思いがあるのです。
そこに喜怒哀楽の感情がからんでくるので、親にとっては手に余るのですが、子どもは親のもとから少しずつひとり立ちしようとしているのです。 とりあえず、少し大きくなったのだと子どもの自己主張を受け入れていく余裕をもち ましょう。