わが家は夫婦ゲンカが多く、娘(小3)は小さい頃からその様子を見て育ちました。

 

夫のお酒が原因で(アルコール依存症と診断されました)、娘と家出をしたこともあります。そんな中、私は娘に期待をし、思う通りに育ててきました。激しく叱ることもしばしば。気づけば娘は学校のことをほとんど言わない子になっていました。登下校での友だち関係もうまくいかず、キレて大泣きすることも何度かありました。泣きながら服を脱ぐなど、怒りを抑えられないようで、自虐的な行為を繰り返す日々。「私は家でも学校でもガマンばっかりだ」「自分ばっかり不幸だ」と嘆いたりもします。


娘の状態が気がかりなものの、私自身も子どもの頃から親にほめられずに育ち、今も認められていません。他人からは「責任感があり、まじめ」と言われるのですが……。私は娘に母と同じことをしている気がします。今後、娘にどのように接していくべきか悩んでいます。
 

(千葉市・主婦・40歳)

 

 

愛子先生からのアドバイス

あなた自身の過去にひと区切りつけ、子どもの心を十分温めましょう

 

あなたもこれまでおつらかったでしょうね。でも今は、悲しみや苦しみや不安、罪悪感でいっぱいのお嬢さんの心を、もう一度温め直していくことを大事にしましょう。


そのために、まずあなたにやっていただきたいのは、あなたとあなたのお母様との関係に区切りをつけることです。勇気を出してお母様と会って、堂々と「私も至らなかったと思うけれど、悲しい言葉をもらったことはつらかった。そのつらさをわかってほしい」という気持ちを伝えてください。お母様の返事は気にしなくていいのです。私の代でこの苦しみを断ち切るんだという強い決意で、つらい思いをしてきたことをはっきり伝え、吹っ切る努力をしてみてください。


そして、お嬢さんにも「お父さんとお母さんのことであなたに怖い思いをさせたね。だから安心できないのよね。それは私のせいだから許してね」「今からお母さんは変わるから、安心してちょうだい」と詫びてください。お母様に気持ちを伝え、お嬢さんに詫びることで、あなた自身にお子さんを抱えるためのエネルギーが生まれるはずです。すると、関係も次第に変わっていくでしょう。

 

◎「ガマンしなくていい」「言いたいことは言ってね」

 

「ガマンばっかり」という言葉は、今のお嬢さんの苦しみの表われです。その苦しみを解決するには、お嬢さんになったつもりで子どもの気持ちに身を浸し、今何を欲しているのかを考えてみることです。それから「もうガマンはしたくないよね。言いたいことは何でも言ってくれるとお母さんは嬉しい。あなたが何を言ってもお母さんは世界で一番あなたが好きだからね」という言葉をかけて安心させ、しっかり気持ちを温めてください。


お譲さんが不思議そうな顔をしても「私はほめたいから、あなたをほめるのよ」と言い切って、どんどんほめましょう。もう十分叱ってきたのですから、今度は抱きしめたり、なでたり、言葉と体温で温めるのです。その温かさを砂漠に注いだ水のように吸収して、お嬢さんも気持ちが落ち着き、いい顔になっていくはず。勇気をもって悪い連鎖はあなたの代で断ち切ってくださいね。大丈夫。あなたなら、できますよ。

 

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高橋愛子(たかはし あいこ)

家庭教育研究所代表

1938年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。3男1女の母親。カウンセラー、セラピスト、ファミリー・コンサルタントとして、企業や学校などで研 修を行なう。2009年より全国の親子支援者と「安心親子応援団」を結成。著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモトゥーワン)など多数。

☆高橋愛子家庭教育研究所  http://www.aiko-katei.com/

  


 

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