5歳の娘は、3歳で弟が生まれた時、赤ちゃん返りがとても激しく出ました。私は育児ノイローゼ寸前でカウンセリングを受けながら、周りに助言された「とことん甘えさせる」子育てを実行しました。

しかし今でも、登園するのにベッドから抱っこしないと起きず、トイレへ行くのも抱っこ。着替えも食事も全て私に任せきりで、自分では何もしません。ただ、保育園ではしっかり者のようなのです。だからこそ家ではできる限り甘えさせようと思って接しているのですが、やってもらうのが当たり前になってしまいました。


最近は思い通りにならないとキックやパンチをすることも。私が「できることは自分でしよう」と言っても、べーっと舌を出してにらんだり、耳に手を当てて聞こえないふりをします。度が過ぎるときは、「悪いことは悪い」とどうして叱るのかを説明してきかせるのですが、同じことの繰り返し……。子育てに限界を感じてしまっています。

 

 

愛子先生からのアドバイス

心から無条件にほめて本当の「甘えさせ」子育てをしましょう

 

子どものためと思って、たくさんの愛情を込めて一生懸命やってこられたのですね。でも、どうやら「甘えさせる」と「甘やかす」を混同なさってしまったようです。そこを少し、修正していきましょう。


「甘えさせる」とは、子どもから求められていることに応えること、子どもの気持ちを温めること、そして子どもの気持ちに喜びを与えることです。できないことをサポートするのは大事ですが、子どもが望んでいないことを親が先回りして何でもやってしまうだけでは「まやかし」、つまり「甘やかし」になってしまいます。
 

「甘えさせる」には、事柄を手伝うのと同時に、「あなたのことが大好きだからこうするね」「あなたが宝物だから〜したいの」と、子どもが喜ぶ言葉を心を込めてかけることが何よりも大事です。


今の状況から察すると「大好きだから、宝物だから、〜しているのよ」というあなたの気持ちが、お子さんに十分届いていないのではないでしょうか。むしろ「本当に仕方がない子」「いい加減にしなさい」という気持ちが伝わって、ますます反抗的になっているようです。

 

◎「あなたは私の右目、弟は左目。同じくらい大事よ」

 

子どもは言葉で育ちます。まず、お嬢さんが生まれた時の気持ちに立ち返って、初めて抱っこした時の愛しさ、生まれてきてくれてありがとうという気持ちを思い出してみてください。「約束を破ろうが、キックやパンチをしようが、あなたのことが世界中で一番大好き」と無条件で伝え続けてください。「弟が生まれた時は、一所懸命がまんしたもんね」と言いながら、「あなたは私の右目、弟は左目。どちらも同じくらい大事なのよ」と言い続けてください。


行動の修正は過去形の言葉でしていきましょう。「お母さんがちょっとお手伝いすれば、あなたは何でもできるもんね」と言って手伝いながら、「ほうら! 自分で着替えができた! すごい、すごい」「さすが○○ちゃんだね。できたね、すごいね!」とわくわくする言葉で、「自分はできる」と暗示をかけるのです。徹底的に気絶するほどほめれば、お子さんに「自分で自分を育てる力」がついていきます。

 

お子さんはまだ5歳ですし、保育園ではしっかりできる子なのですから、まだまだ十分、間に合いますよ。がんばって! 賢いあなたならできるはずです。

 

 

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高橋愛子(たかはし あいこ)

家庭教育研究所代表

1938年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。3男1女の母親。カウンセラー、セラピスト、ファミリー・コンサルタントとして、企業や学校などで研 修を行なう。2009年より全国の親子支援者と「安心親子応援団」を結成。著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモトゥーワン)など多数。

☆高橋愛子家庭教育研究所  http://www.aiko-katei.com/

  


 

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