自分より小さい子を突き飛ばす1歳児 ~子育て相談室

斉藤孝子

わが子が自分より年下の子どもに手を出したり、いじめてしまうと悩む相談者。シングルエイジ教育研究会の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。

※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。

斉藤孝子(さいとう たかこ)
1963年生まれ。現在、 シングルエイジ教育研究会 主任研究員。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。

自分より小さい子を見つけると

1歳半の男の子の母親です。

1歳2~3ヶ月ころから児童館や公園、私のお友達の子供達と遊んでいるとき、自分より小さい子をみつけるとじ~っと見極めてからなのかおもちゃで叩いたり、顔をつかんだり、突き飛ばしたりしてしまいます。

常にあやまり、教えるようにはしているのですが、最近特にひどく、他のママさんからは「愛情不足なんじゃないの~?」「しかり方が足りないのよ。」などと言われもうヘトヘトです。原因はなんなのでしょう?どうしたらよいのでしょうか?教えて下さい。

(31歳、女性)

斉藤孝子先生からのアドバイス

愛情不足でも叱り方が原因でもないですよ。この1歳半という年齢は、まだ言葉が思うようにすらすらとしゃべることができないので、欲しいものがあったり、気になったり、自分の意思を十分伝えることが出来ないと、そのもどかしさなどから、思うように行動ができなくて、叩いたり、かみついたりしてしまうのです。

だんだんと成長とともに、思った事をすらすらと言葉にして相手に伝える事ができるようになってくると、そういう行動は無くなってきます。ただし、時期だからといって、野放しにすると、相手のお子さんにけがをさせてしまったりする時もあるので、見守る時には要注意が必要です。

そういう行動にでてしまった時は、「○○ちゃんが叩かれたり、かまれたら痛いよね。だから、お友達にはしたら駄目!」と何度も優しく言い聞かせることが大切です。一度言ったらわかるというのは、難しいことです。繰り返し繰り返し根気強く、忍耐強くお母さんは、言い続けてくださいね。

これから、自我の芽生えの時期。「いやだ!」と拒否したりすることもあるでしょう。でも、それらは、一つの成長の過渡期だから起こる行為なんです。それを十分理解した上で、お子さんと接してくださいね。