子どもの感情を豊かにする親の言葉…幼児から小学校低学年までの子育てのポイント

渡辺弥生

感情の豊かな子どもを育てる4つの柱

子どもの感情を育てるために、次の4つを柱にしていきます。

順番がある訳ではありません。互いに影響し合って育まれていきます。

(1)自分の気持ちに気づく
(2)他の人の気持ちに気づく
(3)自分の気持ちを調整する
(4)他の人とうまくかかわる

それぞれについて、幼児から小学校低学年の子どもを育てるポイントを紹介していきましょう。

(1)自分の気持ちに気づく

たとえば、子どもが笑って飛び跳ねているとき、「すごいジャンプ。うれしかったんだねぇ」と言葉かけしてやれば、子どもは自分の喜びが飛び跳ねる行動につながっていることに気づくようになります。

・気持ちをオープンにして、うれしい
・楽しいなど基本の感情を理解する
・感情には広がり(幅)があることを理解して、自分の感情について話す力を育てる(プンプン、カンカンなど、同じ怒りでも強さが違うことがわかる)
・自分の感情がどのようなことで引き起こされるのか、引き金について理解する
・人間として感情があることのたいせつさを理解する

(2)他の人の気持ちに気づく

自分と同じような気持ちをもっていることや、ときに違う気持ちになることがわかるようになります。

・他の人の基本的な感情を知る
・他の人の感情の手がかりに気づく(「○○君が顔をしかめるのは怒っているとき」と気づくなど)
・他の人の感情に寄り添ったり離れたりすることを理解する(友だちに対してすごいと思ったり、どうもよくわからなくなったり、という距離感に気づく)
・他の人の気持ちに共感する

(3)自分の気持ちを調整する

自分の気持ちと他人の気持ちが違うときに生じる葛藤や怒りを調節したり、うれしいとき・楽しいときの興奮を調整できるようになります。

・気持ちを調整することのむずかしさを体験する
・感情を平常に保とうとする
・怒り、恐れ、心配、罪悪感、欲求不満といった感情を適切な方法で対処する

(4)他の人とうまくかかわる

実際にどのようにふるまえばよいか、どう言葉をえらべばよいか、さらにはどう行動すればよいかについて考えられるようになります。

・「順番こ」など、人と共有する力を発達させる
・「友だちとはどんな存在か?」という友情の概念を理解する
・集団で活動するために必要なスキルをもつ
・他の人とうまくやりとりするためのスキルを伸ばす

(1)~(4)は1つずつ育まれていくというより、互いに影響し合って育っていくものと考えられています。

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