意地悪がなおりません~子育て相談室

斉藤孝子

友だちの髪をひっぱったり、わざとぶつかったり…いじわるばかりしてしまう子どもの行動に悩む相談者。日本ベビーコーチング協会理事の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。

※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。

斉藤孝子(さいとう・たかこ/日本ベビーコーチング協会理事)
1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。

2歳の息子が意地悪ばかりする

2歳5ケ月の元気な男の子です。友達の髪の毛をひっぱったり、押したり、わざとぶつかったり…といじわるをします。友達のママにはいつも息子のことを言われ、困ってしまっています。

友達に興味はあり、ほっぺを「かわいい」と触りたいようなのですが、よけられたりするとそのまま相手のほっぺをつねってしまいます。

その都度、強く叱っているのですが、直りません。

少しぐらいやってもやられてもいいと教えてきた結果なのでしょうか。こちらから手をだしてばかりです。どうしたらいいでしょうか。

(匿名希望)

斉藤孝子先生からのアドバイス

友達に手をだしてしまうというお子さんは、一見強そうに見えますが、実は繊細でデリケートな心の持ち主が多いものです。

本当はお友達と仲良く遊びたい…でも、近づくと、よけられてしまう。不安になり、いやになり、爆発し、自分が抑えられなくなり、手がでてしまう。自分が友達に受け入れてもらえるか、不安で、その苦しい気持ちを心の中にためているのかも?

しかし、手をだすことはやめさせなくてはなりません。なぜなら、エスカレートし、乱暴が強くなると、必然的に友達はお子さんを恐がるようになります。もちろん、友達関係を築くことが難しく、仲間はずれになってしまうこともあるでしょう。ここまできてしまうと、お子さんがかわいそうです。

そのためには、

(1)阻止できるときは、ママが止める。

口でうるさく言っても直らないものですね。行動を阻止できる時は、手が出る前に阻止します。初めは、泣きわめくでしょう。

でも、苦しい気持ちが涙となって、発散していけばきっと落ち着いてきます。その時が、お子さんの苦しい気持ちを受けとめる時!((2)の方法で)泣き叫ぶわが子と根気との戦いですが、ママもがんばって!

そして、阻止できず、叩いてしまったお友達には、親子でしっかりと謝ることも忘れずに。

(2)叱るだけでなく、お子さんの気持ちを代弁し、受けとめてあげる。

ただ、強く叱るだけでは、「ぼくはだめな子」という自己嫌悪に陥り、よけいに自己コントロールができなくなってしまいます。

落ち着いたところで、「○○ちゃんと遊びたかったんだよね。」などと、友達づきあいに不安を抱いているおこさんの気持ちを代弁し、次回からはコントロールできるようゆったりとした愛情で抱きしめてあげてください。

(3)たたかれてしまった友達の気持ちも伝える。

たたかれてしまった友達は、痛かったこと、悲しい思いをしてしまったことをしっかり話し、その上で、「もう、たたくのは止めようね。」と伝えていきましょう。