脳の成長から考える「年齢別の叱り方」【0歳から10歳まで】

林成之
2023.03.13 18:23 2023.03.13 18:23

叱られる女の子

「相手の脳に入る、つまり相手の気持ちになって話すこと」。これが「教育」の原点です。親は自分を基準に「あれはいけない」「これはいけない」と叱ってはいけないのです。「この子は自分で育っていく力がある」ということを前提に育てていってください。

※本稿は、『PHPのびのび子育て』2014年3月号より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

林成之(日本大学大学院総合科学研究科名誉教授)
日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター部長に就任後、救急患者の治療に取り組み、数々の画期的な治療法を開発して大きな成果をあげる。なかでも多くの脳死寸前の患者の生命を救った脳低温療法は、世界にその名を知られる大発見となった。

【0~3歳】「ダメ!」を減らし、「すごいね」を増やそう

高い高いする親子

命に関わる危険な行為はしっかり叱る必要がありますが、それ以外に「ダメ!」は必要ありません。失敗したときも叱るのではなく、がんばったこと、できるようになったことを「すごいね」とほめてやりましょう。

また神経細胞がどんどん増える時期ですので、この年齢の子は教えたことをすぐに忘れてしまいます。「1回言ったのにどうしてわからないの!?」は禁句です。「こうだからいけないのよ」と根気良く、丁寧に、心を込めて何回も繰り返し教えていくことが大切です。

【3~7歳】ガミガミを「あなたはどう思う?」に変換しよう

小学生の女の子

良い神経回路を形成していくためにも、叱る際はガミガミと感情的に叱らず、子どもの言葉をまずは「そうだよね」と受け入れてから、「お母さんも小さい頃にこんな失敗があって、こうしたらできるようになったのよ」などと事例を示したうえで「あなたはどう思う?」と聞くようにします。

大切なのは「心をつなげる会話」です。間をおかずに「じゃあ、これはどうなの?」「お母さんはこう思うけれど、どう?」とポンポン質問し、心をつなげる会話で導いていくようにしましょう。