子どものしつけの超基本【トイレ・ご飯・睡眠】
子どもを思い通りに動かそうと、ほめたり叱ったりしていませんか?子どものしつけの「超基本」を、菅原裕子先生より伝授いただきましょう!
※本記事は『子どもの心のコーチング【しつけ編】 「ほめる」「叱る」よりうまくいく子育ての極意』(菅原裕子著、PHP文庫) より一部抜粋・編集したものです。
【著者紹介】菅原裕子(すがはら・ゆうこ)
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。 1999年、有限会社ワイズコミュニケーションを設立し、社員一人ひとりの能力を開発することで、組織の変化対応力を高めるコンサルティングを行う。仕事の現場で学んだ「育成」に関する考えを子育てに応用し、「ハートフルコミュニケーション」を開発。全国のPTA、地方自治体、地元の有志主催による講演会で「ハートフルコミュニケーション」を紹介。また、それぞれの生活の中で「ハートフルコミュニケーション」を伝えられる「ハートフルコーチ」を養成。2006年、NPO法人ハートフルコミュニケーションを設立し、日本中の親たちの子育てや自己実現を援助する活動を展開中。
しつけの超基本
○人間は不快を避けるためにトイレに行く
変な質問をします。
「あなたはなぜ、トイレに行くのですか?」
「トイレに行くと、どんないいことがありますか?」
トイレへ行くのを我慢しているときは不快です。その不快をなくすために、私たちはトイレに行きます。すると、排泄物を出してスッキリします。
もともと人間は、不快を避けようとします。そのようにプログラムされています。寒さを避けるために重ね着をします。暖房をつけます。暑いときは、扇風機をつけたり、水を浴びたり、冷房をつけたりします。これらはすべて、私たちが不快を避けるための行動です。
人間は教えられなくても、不快を避けようとします。ですから、排泄など、不快を避けるためのしつけに、それほど神経質になる必要はありません。ただ自然に、不快を感じさせることが大切です。
不快を感じないと、「それが嫌だ」という体験ができないからです。それが布おむつの優れたところだと、私は教わりました。
時期が来たら、そろそろというときにトイレに座らせるのがよいでしょう。おしっこのタイミングを親が読み取ったり、子どもが知らせるようになれば、トイレに座らせましょう。
子どもの自然な生理現象を信頼しさえすれば、自然にしつけは進みます。お漏らししたら、「濡れちゃったね」と着替えさせ、おしっこを教えてくれたら、「おしっこ言えたね」と喜べば、いずれできるようになるのです。
ところが、下着を汚したことを叱ったりすると、お尻の不快より、叱られる不快を嫌がり、お漏らしを言わなくなってしまいます。親が神経質になると、しつけはうまく進まなくなります。