子どものしつけの超基本【トイレ・ご飯・睡眠】

菅原裕子(NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事)
2024.08.16 13:41 2015.05.25 12:00

○人が行動を起こす四原則

畑の中の親子

人が行動を起こすとき、そこには基本的な動機づけがあります。その動機づけとは、先に述べたように、

1.快を求めて
2.不快を避けて

そして、もうひとつ、

3.価値観に基づいて

の3つです。

快と不快の二つは先に述べた通りです。 三つめの「価値観に基づいて」というのは、「そのことが大切だ」と思えることです。「チャレンジしてがんばっている自分は素敵だ」「家族が仲良く過ごすのは大切だ」「約束したことは必ず守る」「よい成績をとることは大切なことだ」「人とは正直にかかわるのがいい」など、日常の生活の中で体験して身につける考え方です。

これらの感覚は、生まれつきの気質的な要素と、環境によって育まれるものがあります。生まれつきのものは変えることができませんが、親という環境から学ぶことがたくさんあるので、子どもの気質に合わせて、子どもを幸せに導く価値観を伝えていきたいものです。

「人が行動を起こす四原則」と書きましたが、では、4つめは何でしょう?

それは、「価値観に沿ったものを習慣にする」ということです。

習慣化すれば、価値観に沿って考えることなく、自動的に自分がいいと思う行動が起こせるということです。私の母は、買い物のあと、お店の人に「ありがとう」と言うことを習慣化してくれました。私の娘は、たとえば電車の中で必要な人に席を譲ることを習慣化しています。

子どもの快と不快の感覚をよく理解して、彼らを幸せに導く価値観を子どもの中に育てながら、価値観を行動に表せるように習慣化する。これが、しつけと呼ばれるものではないでしょうか。

 

菅原裕子

菅原裕子

NPO法人ハートフルコミュニケーション 代表理事
NPO法人 日本ファシリテーション協会 フェロー

人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。
従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。

1995年、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム-ハートフルコミュニケーション- を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得る。

2006年、NPO法人ハートフルコミュニケーション設立。

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