子どものしつけの超基本【トイレ・ご飯・睡眠】
○人が行動を起こす四原則
人が行動を起こすとき、そこには基本的な動機づけがあります。その動機づけとは、先に述べたように、
1.快を求めて
2.不快を避けて
そして、もうひとつ、
3.価値観に基づいて
の3つです。
快と不快の二つは先に述べた通りです。 三つめの「価値観に基づいて」というのは、「そのことが大切だ」と思えることです。「チャレンジしてがんばっている自分は素敵だ」「家族が仲良く過ごすのは大切だ」「約束したことは必ず守る」「よい成績をとることは大切なことだ」「人とは正直にかかわるのがいい」など、日常の生活の中で体験して身につける考え方です。
これらの感覚は、生まれつきの気質的な要素と、環境によって育まれるものがあります。生まれつきのものは変えることができませんが、親という環境から学ぶことがたくさんあるので、子どもの気質に合わせて、子どもを幸せに導く価値観を伝えていきたいものです。
「人が行動を起こす四原則」と書きましたが、では、4つめは何でしょう?
それは、「価値観に沿ったものを習慣にする」ということです。
習慣化すれば、価値観に沿って考えることなく、自動的に自分がいいと思う行動が起こせるということです。私の母は、買い物のあと、お店の人に「ありがとう」と言うことを習慣化してくれました。私の娘は、たとえば電車の中で必要な人に席を譲ることを習慣化しています。
子どもの快と不快の感覚をよく理解して、彼らを幸せに導く価値観を子どもの中に育てながら、価値観を行動に表せるように習慣化する。これが、しつけと呼ばれるものではないでしょうか。
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