7歳からの子育て キーワードは「見つめる」!

中垣俊子(コルネット主宰)
2023.10.11 11:42 2023.02.02 15:38

見つめあう親子

7歳の節目を迎え、日々成長していくわが子。子育てがしっくりいかなくなってきた……そんな時は、子どもをよ~く「見つめて」みましょう。

※本稿は、中垣俊子著『7歳からは、見つめて、待って、ちょっと話す』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。

【著者紹介】中垣俊子
1967年生まれ。認定心理士。保育士。1996年に女性のためのカウンセラー「コルネット」を主宰し、子育てや夫婦関係・仕事など女性の心理カウンセリングや、心理カウンセラーの養成、小学生の放課後スクール「アドラーこども学校」の運営を行っている。また行政やNPO法人の依頼による講座の開催や、不登校の親の会のサポートを行う。

親だからこそ”見えていないこと”がある

子どもと毎日一緒にいるお母さん。子どものことは一番よく知っています。でも、しばらく会わなかった方に、「わ~、背が伸びたわね」 と言われて、改めて気づいたなんてこともあると思います。小さな日々の変化は、毎日一緒だからこそ見えにくいのです。

そして生まれてからずっと一緒にいるからこそ、気づきにくいこともあります。2、3歳のときに泣き虫だったとか、幼稚園ではお友だちを泣かしちゃったなど、以前のパターンや印象的なエピソードがイメージに残っていて”今”の子どもとずれていることがあります。

きょうだいの影響も見てみましょう。物静かなお姉ちゃんだと弟のことをより騒がしく感じたり、元気なお兄ちゃんだと大人しい妹を弱々しく感じたり、知らず知らずのうちに、きょうだい間の比較でタイプ分けをしている場合があります。姉との比較では騒がしいと感じていた弟も、もっと大勢と比べると実は大人しい方だった!? なんてこともあります。

7歳は、成長が見えにくいお年頃

一人で勉強する子

幼い頃の成長は目に見えてわかりやすいものでした。ハイハイから立ち上がったり、話し言葉が増えたり、おむつがとれたり……。懐かしいですね。

しかし7歳から10歳くらいの成長は、内面的な変化が特徴的です。相手の立場に立つことができるようになったり、行動の意図をくみとれるようになったりします。例えば、「つまみ食いしようとして1枚のお皿を割った場合と、お手伝いしようとして10枚のお皿を割った場合ではどちらが悪い?」 と質問したとしましょう。

7歳を過ぎると、つまみ食いしようとした方を悪いと考えるようになる子が増えてきます。しかしそれ以前の段階では、意図や理由などを考えずに単純に1枚より10枚割った方が悪い、と考えるのです。

こんな風に、見方や感じ方が成熟してくるのがこの時期の特徴ですから、それは外から見えにくいものです。しかしよく見ていると、子どもの行動が少しずつ変化しているのがわかります。

ほんのちょっと相手にゆずったり、できないことを練習するようになったり、負けそうでも最後までゲームを続けられたり、大人にとっては当たり前の行動が、この時期の子どもたちの成長を表しているのです。ですから、意識的に子どもを見つめることが重要になります。

中垣俊子

中垣俊子

1967年生まれ。認定心理士。保育士。1996年に女性のためのカウンセラー「コルネット」を主宰し、子育てや夫婦関係・仕事など女性の心理カウンセリングや、心理カウンセラーの養成、小学生の放課後スクール「アドラーこども学校」の運営を行っている。また行政やNPO法人の依頼による講座の開催や、不登校の親の会のサポートを行う。