他の人の子どもの話を聞くと、「うちの子は大丈夫だろうか?」「よその子と比べて劣っているのでは?」と不安に襲われるケースです。他の人の話を聞かなければ、不安は出てこないのですが、聞くと途端に不安になるのはなぜでしょうか。

 

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こんな不安、どうしたらいいの?

 

私には同年代の子どもを持つ友人がいます。その友人から、彼女の子どもが通っている学校の話や、子どもの普段の様子を聞くと、「うちの子は、彼女の子どもに比べると、勉強の進度が遅れているのではないだろうか?」「うちの子は、彼女の子どもに比べると、のんびりしすぎているのではないだろうか?」と不安でたまらなくなってしまいます。

 

子どものことを比較して不安になっているとは限らない

 

比較することで、「うちの子は劣っている」と感じてしまって不安になることがありますが、人はそれぞれなので、他人と比較することに意味はありません。

 

子どもは、親にとってとても身近な存在です。特に母親と娘、父親と息子のように同性の場合は、自分自身を子どもに投影してしまうことが少なくありません。

 

たとえば、このケースの場合、自分自身がその友人よりも劣っていると感じているのだとしたら、その自分を子どもに投影し、友人の子どもより自分の子どもが劣っているように感じてしまうということが起こります。

 

自分自身が友人よりも劣っているという思いを投影した結果、そう感じるので、友人が登場しない場面では、不安には襲われないのです。

 

他の親が登場しない場面では、子どもに関して不安に感じることはなく、他の親が登場する場面でだけ、不安に感じるようであれば、子ども同士を比較して不安になっているわけではなく、自分自身を他の親と比較して不安になっているという可能性が高いのです。

 

子どもの話を聞いて不安なのではなく、親が元々持っていた劣等感が刺激された結果ということになります。

 

自分には価値がある、大切にされている、役に立っていると感じることができている状態を「自己価値が高い」状態といいます。親自身の自己価値が低いと、自分と他の親とを比べて、自分はダメだとか、自分は劣っていると常に感じることになります。

 

その自分を、身近な存在である自分の子どもに投影すると、自分の子どももまたダメなように感じ、劣っているように感じてしまうことになるのです。

 

子どもに対して不安があるのであれば、子どもの素晴らしいところに目を向けていくことが必要となりますが、親自身が自分に対して不安なのであれば、自分自身の素晴らしいところに目を向け、自己価値をあげていくことが必要になります。

 

そうして自分に自信を持つことができるようになることで、不安を解消していくことができるのです。

 

一概には言えませんが、同性の子どもや、第一子など年長の子どもに対しては、自分を投影しやすいといわれることがあります。

 

親が自分で自分を嫌っている部分を、子どもに投影してしまうのです。

 

親自身の劣等感が強く、自己価値が低い状態だと、それを子どもに投影して、不安が大きくなってしまいます。ですから、まずは自分自身のよいところに目を向けて自己価値をあげていくことで、他の人の子どもの話を聞いて不安になることをなくしていくことができます。

 

 

【POINT】

自分自身の劣等感を子どもに投影していることがあります。自分自身の素晴らしいところに目を向けて、自分を認めていくことで、他の人の話を聞いても不安になることがなくなります。

 


 

【本書のご紹介】

 

あなたはなぜいつも不安になってしまうのか

 

『あなたはなぜいつも不安になってしまうのか』

 

不安を解消するコツを場面別に多数紹介しています。すぐ不安になってしまう原因をひもといて、モヤモヤから解放されましょう。

 

【著者紹介】

大門昌代(だいもん・まさよ)

カウンセリングサービス所属カウンセラー・神戸メンタルヘルスサービス所属トレーナー。2005年よりカウンセラーとして活動、大阪を中心に東京、名古屋、福岡にてカウンセリング、カウンセラー養成講座、ワークショップを開催。自身の経験をもとにしたわかりやすいレクチャーが支持を得る。カウンセリングや講座、講演では「誰にでもわかりやすく」をテーマに、日常生活に役立つ心理学を目指して活動している。100人規模のグループセラピーをリードするトレーナーとしても活動する実践派である。著書に『子どもの自立を遅らせるひと言・助けるひと言』『身近なあの人からの「攻撃」がピタッ!と止まる本』(以上、PHP研究所)がある